マリン・オルソップ(指揮) ポーランド国立放送交響楽団

名門オーケストラと新時代ピアニストとの邂逅

 ポーランド南部の工業都市、カトヴィツェを本拠地とする、ポーランド国立放送交響楽団。1935年にワルシャワで創設され、第二次世界大戦中の活動休止を越えてカトヴィツェで再結成された歴史を持つ名門オーケストラだが、来日は実に23年ぶりとなる。

 今回、全国11ヵ所で行われるツアーでタクトをとるのは、ニューヨーク生まれ、バーンスタインの弟子の一人であり、女性指揮者のパイオニアである、マリン・オルソップ。女性に指揮者は無理だと言われ続けながら、道を切り拓いた彼女の人生を描くドキュメンタリー映画『The Conductor』が昨年公開されたことも話題だ。

 プログラムは、ポーランドの女性作曲家、グラジナ・バツェヴィチの序曲で幕を開け、後半はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」、またはブラームスの交響曲第1番というもの。東欧のオーケストラの芳醇なサウンドを堪能できる楽曲が用意されている。

 そして注目すべきは、ショパンのピアノ協奏曲第1番のソリスト。先日チャンネル登録者数が100万人を超えたYouTuber「かてぃん」として幅広い層から人気を集める、角野隼斗を迎える。昨年、ワルシャワで開催されたショパン国際ピアノコンクールに出場。セミファイナリストとなるも本選進出が叶わず、披露されなかったレパートリーを、ショパンの祖国のオーケストラと共演することになる。オルソップとどんなやりとりを繰り広げるのかも聴きもの。見どころが目白押しの公演だ。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2022年9月号より)

2022.9/8(木)19:00 サントリーホール(完売)
9/19(月・祝)15:00 神奈川県民ホール
問:サンライズプロモーション東京0570-00-3337
https://sunrisetokyo.com
https://tempoprimo.co.jp
※ツアーの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。