開館25周年のすみだトリフォニーホールが 「謡かたり『隅田川』」を上演

伝統芸能各分野の力を結集した舞台

 すみだトリフォニーホールが開館25周年を記念して、様々なプログラムを展開している。8月13日には、地元墨田区に伝わる「梅若伝説」を題材として、能・義太夫・歌舞伎の三分野がコラボレーションする舞台「隅田川」が上演される。

 「隅田川」は、現在も能・歌舞伎・浄瑠璃など様々な分野で語り継がれる物語であり、イギリスの作曲家ブリテンも、能「隅田川」を基にしたオペラ《カーリュー・リヴァー》を作曲したことが広く知られている。

「梅若伝説」とは…
人買いにさらわれた貴族の子ども・梅若丸は、連れまわされた後に隅田川のほとりで亡くなる。梅若丸を探して隅田川にたどり着いた母親は、渡し守から1年前に亡くなった少年が梅若丸であることを知らされ、弔おうと念仏を唱えると、そこに梅若丸の亡霊が現れる…。

墨田区には、梅若丸の供養のために建てられた「天台宗 木母寺」があり、現在も毎年4月15日は梅若丸の命日として法要が行われている。
木母寺ホームページ:https://www.mokuboji.org/

左より:大倉源次郎、豊竹咲太夫、尾上菊之助

 8月のすみだトリフォニーホールでは、能楽小鼓方の大倉源次郎(人間国宝)、文楽太夫の豊竹咲太夫(人間国宝)、歌舞伎俳優の尾上菊之助らによる共演が実現。咲太夫が、能の「隅田川」と東北に伝わる浄瑠璃「白川合戦」を組み合わせて創作した「謡かたり 『隅田川』」が、2019年以来の再演となる。

 今回は、2005年の初演時に梅若丸の母を演じた観世流シテ方の野村幻雪が監修、宗家藤間流の藤間勘十郎が振付を担当。母親役を歌舞伎の尾上菊之助が演じる。豊竹咲太夫と鶴澤燕三(三味線)が悲劇のストーリーの進行役を担い、源次郎の小鼓、杉信太朗の笛とともに情感豊かな舞台を作り上げる。物語ゆかりの土地で、各界の第一人者たちによる、垣根を超えた特別なコラボレーションが実現する。

5月17日取材会の様子
左より:阿部亮照(天台宗 木母寺(墨田区)住職)、尾上菊之助、鶴澤燕三、大倉源次郎、杉信太朗

 開館25周年のすみだトリフォニーホールではほかにも、同ホールを拠点とする新日本フィルハーモニー交響楽団(創立50周年)の創設者・山本直純にフィーチャーしたコンサート「下野竜也プレゼンツ! 音楽の魅力発見プロジェクト 第9回」(8/6)、同楽団のミュージック・アドヴァイザーである佐渡裕が登場する公演(10/26,10/29,10/30)などを開催予定。地域に密着した企画から世界的なアーティストを迎える公演まで、多彩なラインナップを展開するホールの取り組みに期待が高まる。

取材協力:すみだトリフォニーホール

すみだトリフォニーホール開館25周年特別企画
能・義太夫・歌舞伎 謡かたり「隅田川」

2022.8/13(土)15:00 すみだトリフォニーホール


●曲目
第1部 公演解説「すみだと梅若伝説」
第2部 能 義太夫 歌舞伎 謡かたり「隅田川」(約60分)
第3部 出演者によるアフタートーク
    トーク:大倉源次郎、豊竹咲太夫、尾上菊之助
●出演
杉信太朗[笛]
大倉源次郎[小鼓/人間国宝]
柿原弘和[大鼓]
豊竹咲太夫[浄瑠璃/人間国宝]
鶴澤燕三 鶴澤燕二郎[三味線]
梅若丸の母/尾上菊之助[歌舞伎立方]

開館25周年! 主催公演ラインナップ

下野竜也プレゼンツ!
音楽の魅力発見プロジェクト 第9回
讃・山本直純没後20年「オーケストラがやっと来た」

2022.8/6(土)16:00 すみだトリフォニーホール

25thアニバーサリーウィーク vol.1
佐渡裕×シエナ×新日本フィル

10/26(水)16:00 すみだトリフォニーホール

25thアニバーサリーウィーク vol.2
佐渡裕×さだまさし×新日本フィル×すみだの第九

10/29(土)、10/30(日)各日15:00 すみだトリフォニーホール

問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212