第143回 アンサンブル of トウキョウ定期演奏会

贅沢な“コンチェルトづくし”でモーツァルトを堪能

 昨年結成35周年を迎えた「アンサンブル of トウキョウ」は、毎回多彩な編成とハイレベルな演奏で、アンサンブルの面白さを追求している。5月の定期はオール・モーツァルトだが、協奏作品4曲、しかもソリストは全員同団メンバー、指揮者は無しという意欲的な内容。トッププレイヤーが集まる彼らならではのステージとなる。

 管楽器ソロの2曲は、フルートの名手・村上成美による「ロンド K. Anh.184」と、代表でN響首席奏者のオーボエ青山聖樹によるコンサートアリア〈ああ、やさしい星よ、もし天に K.538〉。後者はソプラノ用の名品だがオーボエで演奏されることも多く、青山も「大好きな作品」と意気込む。

 弦楽器ソロの2曲には、同団の誇る2人のソロヴァイオリン奏者、小林美恵と玉井菜採が登場。ソリストとして国内外で活躍する小林は協奏曲第3番。多くの楽団をリードし、ソロでも深き境地を示す玉井は、ヴィオラの大野かおるとともに協奏交響曲(K.364)を。どの曲でも細部まで行き届いた交歓が楽しめるだろう。贅沢な愉悦の一夜。
文:林昌英
(ぶらあぼ2022年5月号より)

2022.5/11(水)19:00 東京文化会館(小)
問:アンサンブル of トウキョウ事務局03-3426-2010​
https://www.ensembleoftokyo.com