ステラ・トリオ Vol.5

「今僕らがやりたい音楽」を聴く

左より:入江一雄、小林壱成、伊東 裕

 来る2月5日にステラ・トリオが待望の5回目となるコンサートを開催する。ステラ・トリオとは? 話は、王子ホールが2004年から定期的に実施している人気シリーズ、N響コンサートマスターの篠崎“まろ”史紀を中心とした室内楽のコンサート「MAROワールド」にさかのぼる。“まろ”から薫陶を受けた小林壱成(ヴァイオリン)、伊東裕(チェロ)、そして入江一雄(ピアノ)の若手3人は以前から同シリーズに出演していたが、「将来を期待できる若手の室内楽奏者を集めたい」との思いで王子ホールの星野桃子プロデューサーと“まろ”が彼らを“抜擢”し、同ホールのレジデントアーティストとして定期的なコンサート開催をプロデュースしたのだ。記念すべき初のコンサートは17年4月、それ以降着実に回数を重ねての今回。

 小林、伊東、入江の3人に共通することーーそれはアンサンブルに汲々とすることなく、それぞれが自らの表現意欲を前面に押し出して止まないところではないか(なおかつ一体感もある!)。そういった“やり方”はピアノ・トリオという編成に向いているけれども(弦楽四重奏だとその辺りは厄介な問題を孕む)、それにしても彼らのダイナミックな音楽は誠に聴き映えがする。

 今回のプログラムは、ショスタコーヴィチの第2番とシューベルトの第1番に挟まる形でスメタナと、計3曲。彼らのダイナミズムがショスタコーヴィチにはまるのは想像できるが、シューベルトをどう聴かせるかも興味が尽きぬ。なんだか自由な音楽が展開される予感、何が起こるか聴き逃がせない。
文:藤原聡
(ぶらあぼ2022年1月号より)

2022.2/5(土)14:00 王子ホール
問:王子ホールチケットセンター03-3567-9990 
https://www.ojihall.jp