委嘱3作、そしてキッズとの共演が導く音楽の“その先”
現代音楽専門の団体、と言うだけではアンサンブル・ノマドの説明にはならない。保守本流やらポストモダンなんて言説なぞどこ吹く風、文字通り「遊牧」民のような自在さで多種多様な音楽に遊ぶ当グループ。
来る10月9日には「ともに生きるVol.2〜未来につなぐ〜」のタイトルのもと、前半は児童文学の編集者として名高い荒木田隆子の名前を冠した「荒木田隆子基金」の委嘱作3曲―岸野末利加「マリンバとピアノのためのダブルコンチェルト『ウード(沈香)』」、渡辺裕紀子「都市と記憶」、権代敦彦「たとえ死の陰の谷を歩むとも」(いずれも世界初演)―、そして後半はテリー・ライリーの「In C」の計4曲を取り上げる。前半曲は現段階で詳細不明だが、リーダーの佐藤紀雄曰く「どの曲も意欲にあふれ、作曲者の経験と現在の感興がほとばしる、私たちの知らない世界を聴かせてくれるものである」。NOMAD KIDSが参加する「In C」もひと味違った展開の予感。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2020年10月号より)
2020.10/9(金)19:00
東京オペラシティ リサイタルホール
問:キーノート0422-44-1165
https://www.ensemble-nomad.com