鈴木優人が2020年度から読響の「指揮者/クリエイティヴ・パートナー」に就任

 読売日本交響楽団は2020年4月1日より、鈴木優人を指揮者/クリエイティヴ・パートナー(英語名:Associate Conductor & Creative Partner)として迎えることを発表した。任期は23年3月末までの3年間。読響で同ポストに就くのは鈴木が初となる。これにより、20年から同楽団は、セバスティアン・ヴァイグレ(常任指揮者)、山田和樹(首席客演指揮者)と鈴木の3人体制となる(首席客演指揮者を務めてきたコルネリウス・マイスターは任期満了のため今年度末をもって退任)。

左より:津村 浩、鈴木優人
写真提供:読売日本交響楽団

 9月27日に都内で記者会見が開催され、鈴木、同楽団常任理事・事務局長の津村浩が出席した。鈴木はバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の首席指揮者を務めるほか、国内のオーケストラの指揮、鍵盤楽器の演奏家、また「調布国際音楽祭」のエグゼクティブ・プロデューサーなど、多岐にわたる活躍ぶりで知られる。読響とは16年に「読響アンサンブル・シリーズ」で初共演、その後17年の「三大交響曲」と19年の「名曲シリーズ」での演奏も高く評価された。

 会見の席で、津村事務局長は今回の鈴木の同ポスト就任について「若い世代の中で特に優れた音楽性の持ち主。『指揮者/クリエイティヴ・パートナー』というポジションは、指揮者としての役割だけでなく、彼の持つ発想力・企画力・発信力を用いて、若い聴衆にクラシック音楽の魅力を伝えてほしいという願いを込めてお願いした」と述べた。

 それを受け鈴木も「“クリエイティヴ”と冠されてはいるが、演奏はすべてクリエイティヴな行為。私ならではの新しいことの挑戦への機会を与えていただいたという意味で受け止めている」と語り、読響の印象については「初めて演奏した時にマインドの開かれているオーケストラであることに驚いた。任期の3年間にやりたいことがたくさん頭につまっている。とてもワクワクしている」。鈴木は18世紀を中心とする“古楽”のスペシャリストとしてのイメージが強いが、「BCJはピリオド楽器、読響はモダン楽器という違いから、当然音楽づくりにおける会話は違ってくるが、譜面の読み方は同じ。読響とは古典派を一つの軸にしながらも、幅広く手がけたい」と考えを明かした。

鈴木優人
写真提供:読売日本交響楽団

 20年のシーズンで読響は鈴木の指揮で、シューベルトの交響曲第4番「悲劇的」とべリオ「レンダリング」(5/13)、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」とヴァイオリン協奏曲(独奏:ロザンネ・フィリッペンス)(9/12,9/13)、ヴィヴァルディ「四季」とケージの作品(11/30)などの演奏が予定されている。

読売日本交響楽団
https://yomikyo.or.jp/