アポロン・ミューザゲート弦楽四重奏団

芸術の神の名を冠した精鋭クァルテットが再びの来日!

 今年は日本・ポーランド国交樹立100周年。全員がポーランド出身のアポロン・ミューザゲート弦楽四重奏団が、シューベルト2曲と、母国の大作曲家ペンデレツキで紀尾井ホールに登場する。

 難関ミュンヘンARD国際音楽コンクール2008年の覇者(同年第3位は日本のウェールズ弦楽四重奏団)。やや変わった(?)長い名前は、自分たちの方向性を示すような言葉を求めて行き着いた。ギリシャ神話の芸能・芸術全般の神アポロンは、ジャンルを超えて幅広い音楽活動を展開する彼らにふさわしい。アポロンが女神ムーサたちのリーダーであることを示すフランス語が「Apollon Musagète」。ストラヴィンスキーの作品名にもなっている。つまり「“ミューズを率いるアポロ”弦楽四重奏団」だ。

 現在シューベルトの弦楽四重奏曲全曲録音に取り組んでいる彼ら。紀尾井ホールでは、その最初(第1番)と最後(第15番)を聴かせる。第1番はシューベルトがまだ神学校に在籍していた10代前半の初期作品。聴く機会の少ないレア作品だが、彼らによれば、至るところに、より深く哲学的な後期の四重奏曲との関連が示されていることに驚かされるという。ペンデレツキの弦楽四重奏曲第3番「書かれなかった日記のページ」(2008)は、自身の75歳を記念して、実に40年ぶりに書いた弦楽四重奏曲。調的な旋律線も多用される新ロマン主義的作風。

 実力派たちの示す、弦楽四重奏の最前線を聴きたい!
文:宮本 明
(ぶらあぼ2019年5月号より)

2019.6/7(金)19:00 紀尾井ホール
問:紀尾井ホールチケットセンター03-3237-0061 
http://www.kioi-hall.or.jp/

他公演 
2019.6/1(土)名古屋/宗次ホール(052-265-1718)
6/3(月)武蔵野市民文化会館(小)(完売)
6/6(木)鶴見区民文化センター サルビアホール(045-511-5711)