【SACD】日本の心を歌う/中井亮一

 イタリアで研鑽を積み“ロッシーニ歌い”としても活躍する“旬”のテノールが、本格的デビュー盤に敢えてこのテーマを選んだだけあって収録曲が秀逸。曲によっては過去の偉大な先輩歌手へのオマージュを垣間見せているのも心憎い。幕開けの14篇(北原白秋×平井康三郎の歌曲集「日本の笛」より)から日本的な歌い回しに魅了される。かの童謡のパロディ的風刺作品である〈サッちゃんの家〉やシャンソン・コミック〈電話〉、男声合唱の定番曲〈遙かな友に〉など、ひねりの利いた名曲多し。〈さとうきび畑〉や本人のソウル・ソングらしい〈瀬戸の花嫁〉も味わい深い。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2019年5月号より)

【Information】
SACD『日本の心を歌う/中井亮一』

平井康三郎:「日本の笛」より/山田耕筰:野薔薇、待ちぼうけ、秋風の歌/服部正:野の羊/梁田貞:城ヶ島の雨/大中恩:サッちゃんの家/湯山昭:電話/磯部俶:遥かな友に/寺島尚彦:さとうきび畑/平尾昌晃:瀬戸の花嫁 他

中井亮一(テノール)
秀平雄二(ピアノ)

アールアンフィニ(ソニー・ミュージックダイレクト/ミューズエンターテインメント)
MECO-1054 ¥3000+税