第478回 & 第479回 日経ミューズサロン

晩秋には新星ハーピストを、クリスマスにはピアノ四重奏を愉しむ

 この場所でしか味わえぬ、至福のひと時がある。都心の演奏空間で、第一級のアーティストによる質の高い演奏を楽しむ日経ミューズサロン。晩秋から初冬にかけて、注目のトップ・アーティストが、相次いで登場する。
 まずは、名門サンクトペテルブルク・マリインスキー歌劇場管で、2011年から首席ハープ奏者を務めるソフィア・キプルスカヤ。数々の登竜門で実績を重ね、ハープが大きな役割を担う場面が多いロシア音楽にあって、その音色に芸術監督のワレリー・ゲルギエフが惚れ込み、抜擢したという逸材だ。
 そのリサイタルでは、ツァーベル「噴水」やグリンカ「ノクターン」ほかハープのためのオリジナル曲から、ドビュッシー「アラベスク第1、2番」やスメタナ「モルダウ」などの編曲作品、さらにムード音楽の傑作であるマックスウェル「引き潮」まで、多彩に披露。麗しき名手が紡ぐ癒しの音色に、身を浸したい。
 そして、ウィーン在住のピアニスト、フォゥグ・浦田陽子と夫でウィーン・フィル楽員のヨァゲン(チェロ)を軸に、その同僚のハラルド・クルンペック(ヴァイオリン)とロベルト・バウアーシュタッター(ヴィオラ)が参加する、「ウィーン・ピアノ四重奏団」も登場する。
 ステージでは、モーツァルトの第2番とブラームスの第3番、ピアノ四重奏曲の佳品を。さらに、没後100年を記念してのドビュッシー「ピアノ三重奏曲第1番」や、ヴィヴァルディ「冬」、コレッリ「クリスマス協奏曲」からパストラーレと、選りすぐりの名曲を通じ、“音楽の街”の薫りを届けてくれる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年11月号より)

第478回 日経ミューズサロン
ソフィア・キプルスカヤ ハープ・リサイタル 2018.11/27(火)

第479回 日経ミューズサロン
ウィーン・ピアノ四重奏団 クリスマス・コンサート 2018.12/3(月)
各日18:30 日経ホール

問:日経公演事務局03-5281-8067 
http://www.nikkei-hall.com/