神農広樹が東京オペラシティ B→Cでオーボエの新たな地平を拓く

©Mantaro Jo

 現在、新日本フィルで首席オーボエ奏者を務める神農広樹の「B→C」。冒頭のバッハのパルティータ イ短調(ト短調に移調して演奏)以外は、20世紀以降の作品をずらりと並べた、意欲あふれるプログラムだ。

 まず、スコットランド生まれの2人の女性作曲家による3作品。打楽器風の電子音を背景に演奏されるマスグレイヴの「ニオベ」、静かな抒情のなかに諧謔が差し込まれるグライムの「3つのミニアチュール」に注目したい。

 20世紀前衛の「古典」もしっかり押さえる。数々の技巧が駆使されるベリオの「セクエンツァ VIIa」。クセナキスの傑作「ドマーテン」は、打楽器とのデュオで、民族音楽のように開始、次第に肥沃な音響空間を作り出す。新日本フィルの同僚、山内創一朗の打楽器と息の合ったアンサンブルが期待できよう。

 最後に演奏されるのは、ハウエルズのオーボエ・ソナタ。英国音楽のリリシズムをそのまま受け継いだしっとりとした旋律を奏でてくれるだろう。現代作品でも定評の高いピアニスト、高橋ドレミとの共演もうれしい。

文:鈴木淳史

(ぶらあぼ2026年7月号より)

東京オペラシティ B→C 神農広樹(オーボエ) 
2026.7/28(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999
https://www.operacity.jp


鈴木淳史 Atsufumi Suzuki

雑文家/音楽批評。1970年山形県寒河江市生まれ。著書に『クラシック悪魔の辞典』『背徳のクラシック・ガイド』『愛と幻想のクラシック』『占いの力』(以上、洋泉社) 『「電車男」は誰なのか』(中央公論新社)『チラシで楽しむクラシック』(双葉社)『クラシックは斜めに聴け!』(青弓社)ほか。共著に『村上春樹の100曲』(立東舎)などがある。
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