
英国クラリネット界のレジェンド、マイケル・コリンズが、日本の実力者と共に多彩な室内楽の名品を披露する。数々の著名オーケストラやアルゲリッチはじめ多数の名奏者と共演するなど、ソリストとして輝かしい実績を残してきた彼は、2015年に大英帝国五等勲爵士(MBE)を受賞し、シャンドス等への膨大な録音でもお馴染み。2010年から18年までシティ・オブ・ロンドン・シンフォニアの常任指揮者を務め、ミネソタ管やフィルハーモニア管等に客演するなど、近年は指揮者としても活躍している。
今回は、日本管打楽器コンクール第1位など数々の好成績を収め、国内外で活躍するクラリネット奏者・久保田智巳、木管五重奏団 Pacific Quintetでのミュンヘン国際音楽コンクール第2位ほか多数の受賞歴を誇り、現在読響の首席を務めるなど躍進するファゴット奏者・古谷拳一、さらにはアンサンブル・ピアニストとして世界的奏者と共演を重ねている松浦真沙という、信頼厚い仲間たちの出演がポイント。ゆえに、ブラームスのクラリネット・ソナタ等のデュオ名曲から、プーランクのファゴットとのソナタやメンデルスゾーン、ポンキエッリの2本のクラリネット用の諸作までを味わえるし、グリンカの悲愴三重奏曲をオリジナル編成(クラリネット、ファゴット、ピアノ)で聴けるのも嬉しい。すなわち今回はレジェンドのソロとレアな編成の快作を併せて体験できる。
コリンズはまろやかな音色と滑らかな運びで、明快かつノーブルな音楽を聴かせる名手。指揮活動でさらに視野を広げた彼の妙技を多角的に堪能できるこの機会を逃せるはずもない。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2026年7月号より)
珠玉のリサイタル&室内楽
マイケル・コリンズが贈るクラリネットの世界 ーソロから三重奏までー
2026.7/15(水)19:00 ヤマハホール
問:ヤマハ銀座店インフォメーション03-3572-3171
https://retailing.jp.yamaha.com/shop/ginza/hall

柴田克彦 Katsuhiko Shibata
福岡県生まれ。音楽マネージメント勤務を経て、フリーの音楽ライター・評論家&編集者となる。雑誌、コンサート・プログラム、Web、宣伝媒体、CDブックレットへの、取材・紹介記事や曲目解説等の寄稿、プログラム等の編集業務を行うほか、講演や講座も受け持つなど、幅広く活動中。著書に『山本直純と小澤征爾』(朝日新書)、 『1曲1分でわかる! 吹奏楽編曲されているクラシック名曲集』(音楽之友社)。

