渋谷区と目黒区にまたがる都心のオアシス、恵比寿ガーデンプレイスから徒歩2, 3分ほどのところに、スタジオ「EBISUTA」がある。防音工事や音楽ホールの音響内装を手がける環境スペース株式会社が運営する、洗練された音楽スタジオ&ホールだ。

ロケーションが良く、かつスタインウェイ B-211のピアノが置かれているということで、室内楽のコンサートやアンサンブルの練習にも使われているほか、来日中の海外アーティストが飛び込みで利用することもあるという。
狭い空間でグランドピアノなどの大きな音が響くと、飽和状態になってしまいがちだが、このスタジオではそういった印象がほとんどない。その秘密は、天井に設置された独特の形状をもつアクリルパネルや、スリットが入った壁の木材。それらの素材には、特定の周波数の残響だけ吸音する機能が施されており、人間にとって心地よい周波数帯は残して、反射・拡散するように設計されているという。低音から高音まで、それぞれの音域のサウンドを整えることで、空間に調和した音響を実現している。さらに魅力的なのは、スタジオには珍しい解放感のある大きな窓があること。二重窓で遮音を実現するとともに、窓ガラスを外側に傾斜させることで、音が拡散するように配慮されているという。


同社広報部の室奈織子さんは、「狭い空間だと、演奏する側も萎縮してしまいがちなのですが、響きが精密にコントロールされたこのスタジオでは、『のびのびと気持ちよく弾ける』という声を、利用された方からはよく聞きます」と語る。こうしたこだわりぬいた音空間が可能になるのは、環境計量士による音の測定・音響設計・施工までトータルで手がける会社ならでは。求められる音響は分野によって大きく異なり、例えば映画館では残響ゼロのデッドな空間が理想なのだそう。ライブハウスや店舗、クリニックなどさまざまなジャンルにわたって、これまでに約4300件の施工実績があるそうだが、その中でも同社が特に力を入れているのが、アコースティック楽器や声が鳴り響く空間の設計で、豊富な経験に基づいた技術の粋を集めて作ったのが、この「EBISUTA」だという。

スタジオは体験型ショールームも兼ねており、レンタルスペースとしての利用だけでなく、「EBISUTA」の音響や防音室を体験してみたいという方にもお勧め。「自宅にスタジオを!」という本格派の方には、施工に入る前に、音響シミュレーションソフトで完成後の響きを試してみることができるという。「◯◯ホールに近い音響にしたい!」というようなリクエストにも応えてくれるというから、専門知識がなくても相談できるのが嬉しい。
取材・文:編集部
(ぶらあぼ2026年4月号より)
【Information】
EBISUTA
https://www.soundzone.jp/ebisuta/

