世界水準のステージを北東北から――秋田・潟上国際音楽祭

この夏はファミリーコンサートから本格オペラ・ガラまで

2025年の音楽祭より レインハルト・ジーハファー(左)とアーティスティックディレクター 千田桂大(右)
オーケストラは仙台フィル

 秋田県の中部、秋田市とその少し北に位置する潟上(かたがみ)市を拠点に、北東北初の本格的な音楽祭として2022年にスタートした「秋田・潟上国際音楽祭」は、年間を通じて公演を行っていくスタイルで、今年、第5回の音楽祭が進行中だ。​4月にすでにプレ公演「ウィーン チェロ・アンサンブル5+1」が開催されており、この夏にも2回のユニークな公演が続く。

奥村愛(右)と千田桂大(左)が登場するステージは、誰もが楽しめる午後のひととき

 6月21日には奥村愛(ヴァイオリン) × 千田桂大(ピアノ)による「ファミリーで楽しむクラシックの午後」をあきた芸術劇場ミルハス中ホールで開催。ピアノの千田桂大(ちだ・けいた、潟上市出身)はフランスを拠点に国際的に活動しており、この音楽祭のアーティスティックディレクターを務める。コンサート前半は、絵本『えんとつ町のプペル』を素材にした、朗読(丸山有香)とヴァイオリン(奥村愛)&ピアノ(竹内恵)の生演奏による「絵本コンサート」。後半は、奥村と千田による名曲コンサートで、エルガー「愛の挨拶」、モンティ「チャールダーシュ」などの親しみやすい作品が演奏される。

イタリアの歌劇場の熱気を秋田に運んでくれるファビオ・アルミリアート
この音楽祭には欠かせないグンテル・サニン(左)とサラ・アイロルディ(右)

 7月4日には世界的に活躍するイタリアのテノール、ファビオ・アルミリアートを招聘し、「第2回 オペラ名曲 ガラ・コンサート」を秋田アトリオン音楽ホールで開く。古代ローマ時代の円形闘技場での野外オペラで有名なヴェローナ音楽祭のオーケストラの元コンサートマスター、グンテル・サニンと首席チェロ奏者サラ・アイロルディに千田が加わったアンサンブルが、アルミリアートと共演。《トスカ》の〈星は光りぬ〉などオペラの名曲だけでなく、オペラの序曲や間奏曲、映画音楽も組み込まれた、ここでしか聴けないガラ・コンサートとなる。

得意のドビュッシーなどを披露するフィリップ・カサールのリサイタルは
能代市文化会館の新しいスタインウェイのお披露目公演となる

 さらに、10月には、フランスの巨匠ピアニスト、フィリップ・カサールのリサイタルが能代で開催され、11月にはドイツの名指揮者レインハルト・ジーハファーを招き、仙台フィルの公演も予定されているなど、なんとも贅沢なラインナップ。秋田から発信される気宇壮大な音楽祭に注目したい。

文:片桐卓也

秋田杉の香りに包まれる酒蔵コンサート、今年は仙台フィルのヘンリ・タタル(ヴァイオリン)が出演
(写真は2024年の公演より)

第5回 秋田・潟上国際音楽祭
ファミリーで楽しむ クラシックの午後

6/21(日)13:30 あきた芸術劇場ミルハス(中)
奥村愛(ヴァイオリン) 千田桂大(ピアノ) 竹内恵(ピアノ、構成、編曲) 丸山有香(朗読)
第2回 オペラ名曲 ガラ・コンサート
7/4(土)14:00 秋田アトリオン音楽ホール
ファビオ・アルミリアート(テノール) グンテル・サニン(ヴァイオリン) サラ・アイロルディ(チェロ) 千田桂大(ピアノ)
酒蔵コンサート ヘンリ・タタル、スラヴを奏でる
9/20(日)14:00 潟上/ギャラリー ブルーホール
ヘンリ・タタル(ヴァイオリン) 木下順子(ピアノ)
フィリップ・カサール ピアノ・リサイタル
10/18(日)14:00 能代市文化会館
仙台フィルハーモニー管弦楽団 特別公演 vol.4 レインハルト・ジーハファー✕千田桂大
11/14(土)14:00 秋田アトリオン音楽ホール
https://www.akimf.com