【CD】私の星よ―なかにしあかね 英詩による歌曲作品集―/辻裕久、佐藤紀雄、なかにしあかね

 合唱作品で有名ななかにしだが、これは英語の詩につけた歌曲集。英国音楽のスペシャリストで、なかにしの長年のパートナーであるテノールの辻裕久とのコラボだ。彼の才能を前提に書かれたと思われる音楽は、詩と鋭い緊張関係を作り出す。なかにしが母語でない言葉をこれほど身体化された音の連なりに乗せていること、辻がその言葉と音の構えをこれほど自然に、しかも劇的に音楽にしていくことの双方が驚異だ。互いを知り尽くした二人が協力しつつ、シェイクスピアからポーまで詩の背後の精神に鋭く肉薄していく姿に、筆者はブリテン&ピーター・ピアーズのコンビを繰り返し想起した。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2026年3月号より)

【information】
CD『私の星よ―なかにしあかね 英詩による歌曲作品集―/辻裕久、佐藤紀雄、なかにしあかね』

なかにしあかね:シェイクスピアの妖精たち、エドガー・アラン・ポーの詩による「4つの鐘」、アナベル・リー、泣くな 悲しみの泉よ、私の星よ

辻裕久(テノール)
佐藤紀雄(ギター)
なかにしあかね(作曲/ピアノ)

コジマ録音
ALM-7323 ¥3300(税込)