東京文化会館名物のニューイヤーコンサート、2026年は務川慧悟が登場!

左:大友直人 ©Rowland Kirishima
右:務川慧悟 ©Yuji Ueno

 新年の“聴き初め”をどんなコンサートにしようか、あれこれ考えるのもクラシック・ファンの楽しみだろう。初詣の帰りにもちょうどよさそうな1月3日の15時、上野に寄ってゴージャスなオーケストラ・コンサートで新しい年をスタートするのはいかが?

 毎年恒例となっている東京文化会館《響の森》シリーズのニューイヤーコンサート、2026年はピアニストの務川慧悟、大友直人指揮、東京都交響楽団という布陣で開催される。プログラムはヨハン・シュトラウスⅡ世のオペレッタ《こうもり》序曲で、華やかに幕開けを告げる。

 前半のメインはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。ソリストを務める務川はエリザベート王妃国際音楽コンクールにて第3位、ロン=ティボー=クレスパン国際コンクールにて第2位を受賞し、今もっとも充実した活動を展開しているピアニストのひとり。2014年からパリ国立高等音楽院に留学し、ラヴェルのピアノ作品全曲演奏などで高く評価されていることから“フランスもの”のイメージがあるが、探究心に満ちたチャレンジ精神も務川の持ち味。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番に関しても、今年3月には大井駿指揮、読売日本交響楽団との共演で、珍しい1875年の初版を演奏している。作品の源泉に触れる経験を経て、今回どのような演奏を聴かせてくれるか楽しみだ。

 後半はムソルグスキー(ラヴェル編曲)の組曲「展覧会の絵」。スペクタクルな響きを全身に浴びて、一年の実り多い音楽ライフを祈念したい。

文:原 典子

(ぶらあぼ2025年12月号より)

東京文化会館 《響の森》Vol.57 ニューイヤーコンサート2026
2026.1/3(土)15:00 東京文化会館
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 
https://www.t-bunka.jp