古澤巖とベルリン・フィルの5人の名手が全国をめぐる「愛のクリスマス」

銘器「サン・ロレンツォ」で奏でられる名曲の数々

 クリスマスの過ごし方と言っても人それぞれだが、この時期に開催されるコンサートも多彩。選ぶのに迷っているなら、温かな弦楽器の響きに包まれてみるのはいかがだろう?

 日本を代表するヴァイオリニストで、様々なアーティストとのコラボレーションでも知られる古澤巖は、ベルリン・フィルハーモニック ストリングスとコンサートを重ねている。この「ストリングス」は名門ベルリン・フィルの弦楽器奏者5人で構成されるグループ(コントラバスを含む)で、その音楽的な豊かさがいつも話題となる。古澤との相性もとても良い。「愛のクリスマス」と銘打たれた12月のツアー、今年はボロディン、フォーレ、ドビュッシーなどの有名曲から、このコンビがずっと取り上げてきているイタリア人作曲家ロベルト・ディ・マリーノ(1956年生)の8曲の「コンチェルト」から古澤が厳選した3つの楽章を演奏する。他にもクリスマスならではの名曲も演奏される予定だ。

左:古澤巖 右:ベルリン・フィルハーモニック ストリングス

 古澤はストラディヴァリウス「サン・ロレンツォ」(1718年製)を使って演奏活動を行っている。ストラドのなかでも特別な存在として知られる銘器で、この楽器を使った録音もリリースされている。特別な日に、特別な楽器で聴くクラシックの名曲の数々、それも最高峰の楽団に所属する名手たちとのアンサンブルなので、たとえ屋外が凍えるような寒さでも、心には明るい灯がともるはず。芳醇な音を堪能するスペシャル・デイを経験してみよう。

文:片桐卓也

【Information】

古澤巖×ベルリン・フィルハーモニック ストリングス
~愛のクリスマス2024~

12/8(日)13:30 東京オペラシティ コンサートホール
(キョードー東京0570-550-799)
12/10(火)18:00 広島/呉信用金庫ホール
(呉市文化振興財団0823-25-7878)
12/11(水)19:00 大阪/ザ・シンフォニーホール
(キョードーインフォメーション0570-200-888)
12/13(金)18:45 名古屋/電気文化会館 ザ・コンサートホール

(クラシック名古屋052-678-5310)
12/14(土)14:00 横浜/関内ホール
(キョードー横浜045-671-9911)
12/15(日)14:00 18:30 観世能楽堂(銀座SIX)
(キョードー東京0570-550-799)
12/16(月)19:00 福岡シンフォニーホール

(ヨランダオフィス・チケットセンター0570-033-337)
12/19(木)14:00 山梨/アルソア女神の森 シンフォニアガーデン 招福ホール陽陽
(あおいとり0551-45-6717)

〇出演
古澤巖(ヴァイオリン)
ベルリン・フィルハーモニック ストリングス
 ドリアン・ジョージ(第1ヴァイオリン)
 ヘレナ・マドカ・ベルク(第2ヴァイオリン)
 マルティン・シュテーグナー(ヴィオラ)
 ダーヴィット・リニカー(チェロ)
 ミヒャエル・カーグ(コントラバス)
〇曲目
ボロディン:ダッタン人の踊り
フォーレ:パヴァーヌ、シシリエンヌ
ドビュッシー:月の光
バッハ:主よ 人の望みの喜びよ、G線上のアリア
ピアソラ:天使の死、カランブレ
ロベルト・ディ・マリーノ:「マリーノ・コンチェルト」よりコラージュ