18世紀後半のパリでとりわけ人気のあった協奏交響曲。同ジャンルの作品をモーツァルトは「マンハイム・パリ旅行」後に作曲し、ハイドンは交響曲の上演のために訪れたロンドンで作曲した。特にモーツァルトの作品は名作の誉高く、人気も高い。マンハイム楽派の先進的な音楽語法と当時のパリの趣味を反映したメランコリックな音楽を玉井菜採と大野かおるは深々と歌い上げ、ヴァイオリンとヴィオラの対話は高い次元で実現されている。オーボエの青山聖樹が登場するモーツァルトのコンサートアリアやディヴェルティメントを含め、華やかで社交的な音楽と共に名手たちの競演を存分に味わえる。
文:大津 聡
(ぶらあぼ2024年10月号より)
【information】
SACD『モーツァルト&ハイドン:協奏交響曲 /アンサンブル of トウキョウ』
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲、コンサートアリア〈ああ やさしい星よ もし天に〉、ディヴェルティメント第11番より第3楽章/ハイドン:協奏交響曲
アンサンブル of トウキョウ
青山聖樹(オーボエ) ダーク・イェンセン(ファゴット) 玉井菜採(ヴァイオリン) 大野かおる(ヴィオラ) 河野文昭(チェロ)
収録:2022年5月、東京文化会館(小) 他(ライブ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00851 ¥3850(税込)