新首席客演指揮者がエネルギッシュに描く「悲愴」
2022年の読売日本交響楽団との初共演が高く評価され、今シーズンから同楽団の首席客演指揮者に就任したユライ・ヴァルチュハ。この5月、首席客演指揮者として初めて読響の指揮台に立つ。
1976年スロバキア生まれ。RAI国立交響楽団の首席指揮者、ナポリ・サンカルロ劇場の音楽監督を歴任し、2022-23シーズンからヒューストン交響楽団の音楽監督を務める。脚光を浴びつつある気鋭の指揮者だ。
今回、新しい首席客演指揮者が週末のマチネーシリーズで取り上げるのは、いわゆるロシア系プログラム。
一曲目のリャードフの「魔法にかけられた湖」は、幻想的な管弦楽曲。湖面に映された風景が揺らぎながら変化していくような、柔らかで繊細な音色表現を楽しみたい。
続くハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲では周防亮介をソリストに迎える。コーカサスならではのきらびやかな色彩感、そして艶やかにしてエキゾティックな旋律。並々ならぬ集中力と技巧で魅了する周防が作品のエッセンスを存分に引き出してくれるはずだ。
後半は、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」。前回の読響との共演では、スケール感があり、大きなうねりを伴ったマーラーの交響曲第9番を聴かせてくれたヴァルチュハ。チャイコフスキーが最後に書いた交響曲でも読響のポテンシャルを生かした重厚なサウンドを客席まで届けてくれるはずだ。死の恐怖まで吹き飛ばしてしまうようなダイナミックな「悲愴」を期待したい。
文:鈴木淳史
(ぶらあぼ2024年5月号より)
第266回 土曜マチネーシリーズ
2024.5/25(土)
第266回 日曜マチネーシリーズ
2024.5/26(日)
各日14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:読響チケットセンター0570-00-4390
https://yomikyo.or.jp