未来のスターたちの饗宴
芸術家として羽ばたく可能性に富んだ若い演奏家の発掘と支援・育成を目的に、東京文化会館などが開催している「東京音楽コンクール」。2014年夏に開かれた第12回大会では、坪井夏美(ヴァイオリン)と梅田智也(ピアノ)、岡昭宏(バリトン)の3人が、優勝の栄冠を手に。1月に開催される「優勝者コンサート」では、円光寺雅彦指揮の読売日本交響楽団をバックに、瑞々しい音色と歌声を披露する。
弦楽部門第1位の坪井は米ニューヨーク出身で、東京芸大3年に在学中。ステージではシベリウスのヴァイオリン協奏曲を弾く。「常に“音”への探究心を忘れず、技術を磨き、自分自身も人間として成長し、より多くの方々にヴァイオリンの音色に触れていただけるよう、精進してゆきたい」と決意を語っている。
ピアノ部門第1位の梅田は岐阜県出身、東京芸大大学院修士課程2年在学中ながら、既に3回のリサイタルを開催。今回は、シューマンの協奏曲を披露する。「偉大なる作曲家たちの、数々の素晴らしい作品を通して、皆様と過ごす時間に心から感謝し、日々音楽と向き合っていきたい」と力を込める。
そして、イタリア声楽コンコルソでもシエナ大賞を受賞するなど数々の実績を重ねて来た、声楽部門第1位で香川県出身の岡。グノー《ファウスト》から〈門出を前に〉など3つの名オペラ・アリアを聴かせる。「バリトンという声の魅力、役柄の魅力を、素晴らしいオーケストラの音色と共に、お客様に少しでもお伝えし、楽しんでいただければ」と語っている。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年1月号から)
2015.1/12(月・祝)14:00 東京文化会館
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp