圧巻のライブ・パフォーマンス再び!
現代のダンス・シーンを牽引する森山開次が、渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールで、2018年以来、再び、ストラヴィンスキーの「春の祭典」を踊る。群舞の迫力で知られるこの作品を森山はたった一人で舞い、巨大編成のオーケストラは作曲者自身の編曲による4手ピアノ版の演奏に置き換えられる。森山はダンサーとして国際的に評価される一方で、振付家、演出家としても活躍。これまでにもオペラ《ドン・ジョヴァンニ》の演出を手掛け、2024年度は全国共同制作オペラで《ラ・ボエーム》を演出する。
今回、ピアノ演奏を担うのは、實川風と三浦謙司。前回の公演にも出演した實川は、近年、弾き振りでの協奏曲に挑むなど、音楽家としてますます進化を遂げている。一方、初参加の三浦は、2019年のロン・ティボー・クレスパン国際コンクールのピアノ部門で優勝し、様々なオーケストラにソリストとして招かれるなど、活躍の場を広げる。この二人の共演だけでも、聴き逃せない「春の祭典」といえるが、森山との化学反応で一層刺激的な演奏となるに違いない。公演の前半には、それぞれのソロによるピアノ演奏も予定されていて、これも楽しみである。
森山と實川と三浦のたった3人で上演される「春の祭典」は、巨大なこの作品を究極的に凝縮することによって、作品の持つリズムの躍動、変拍子の刺激、イマジネーションの爆発的な広がりがオリジナル以上に伝わってくるに違いない。
文:山田治生
(ぶらあぼ2024年1月号より)
2024.3/2(土)18:30 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
2024.1/6(土)発売
問:渋谷区文化総合センター大和田 ホール事務室03-3464-3252
https://www.shibu-cul.jp