第9回 静岡国際オペラコンクール 入賞者が決定!

日本の山下裕賀(メゾソプラノ)は三浦環特別賞

 11月5日、第9回 静岡国際オペラコンクールの本選がアクトシティ浜松 大ホールにて開催され、以下の通り入賞者が決定した。

第1位
パク・サムエル PARK Samueol(韓国、バリトン)
第2位
パク・ジフン PARK Jihoon(韓国、テノール)
第3位
キム・ジャングレ・ノア KIM Jangrae Noah(韓国、バリトン)

三浦環特別賞
山下裕賀 YAMASHITA Hiroka(日本、メゾソプラノ)

オーディエンス賞
キム・ジャングレ・ノア

左より:伊藤尚人(入選)、山下裕賀、パク・ジフン、パク・サムエル、キム・ジャングレ・ノア、チョー・チャニ(入選)
提供:静岡国際オペラコンクール実行委員会

 本コンクールは、静岡県ゆかりのプリマドンナ・三浦環(1884〜1946)をたたえ、没後50年の1996年から3年ごとに開催。2020年に開催予定だった第9回は新型コロナウィルスの影響で延期され、今年、6年ぶりに開催される運びとなった。10月28日より第1次予選が開始し、その後第2次予選、本選と順次審査が実施されていた。静岡からの世界に向けた文化発信、および次代を担う声楽界の人材の発掘・育成を目的に掲げ、国際音楽コンクール世界連盟にも加盟。過去には髙田智宏(第4回/三浦環特別賞、バリトン)、光岡暁恵(第5回/第1位・三浦環特別賞・オーディエンス賞、ソプラノ)、城宏憲(第8回/三浦環特別賞、テノール)らを輩出している。

 第1位に輝いたパク・サムエルは、今年のリッカルド・ザンドナーイ国際声楽コンクールをはじめ、複数の国際コンクールで入賞を果たしており、ベルリン・ドイツ・オペラのアンサンブルにも参加する実力派。本選では自選曲の《タンホイザー》より〈夕星の歌〉を深みのある歌唱で聴かせた。

パク・サムエル 提供:静岡国際オペラコンクール実行委員会

 第2位のパク・ジフンは韓国芸術総合学校の出身で、韓国内のコンクールで多数の賞を獲得している。本選ではハリのある華やかな声で《イル・トロヴァトーレ》の〈いとしの君よ~恐ろしい炎〉を熱唱した。第3位のキム・ジャングレ・ノアはソウル大学校卒業、チューリッヒ歌劇場の公演に定期的に出演している。《ファウスト》〈故郷の土地を離れる前に〉での甘美な歌声は会場を魅了、オーディエンス賞をあわせて受賞した。

パク・ジフン 提供:静岡国際オペラコンクール実行委員会
キム・ジャングレ・ノア 提供:静岡国際オペラコンクール実行委員会

 日本国籍で将来性のある出場者に授与される三浦環特別賞は山下裕賀が受賞。山下は先月末に行われた第92回 日本音楽コンクールの声楽部門で第1位・岩谷賞(聴衆賞)に輝いたばかり。自選曲の《ナクソス島のアリアドネ》より〈私たちはきっとまた良くなりますよ〉で、権威あるコンクールでの連続入賞も納得の堂々たる歌唱を披露した。

山下裕賀 提供:静岡国際オペラコンクール実行委員会

静岡国際オペラコンクール
https://www.suac.ac.jp/opera/
※コンクールの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。