セントラル愛知響が2024年度主催公演&角田鋼亮の音楽監督就任を発表

角田鋼亮

 セントラル愛知交響楽団が11月6日、名古屋市内で記者会見を行い、2024年度の主催公演ラインナップ、および現常任指揮者の角田鋼亮が音楽監督に就任することを発表した。登壇者は角田のほか、同楽団理事長の山田貞夫、副理事長の中西政男、常務理事の瀬戸和夫ら4名。角田の音楽監督就任は24年4月、任期は5年間の予定。

 常任指揮者として今季が5シーズン目となる角田。来季は音楽監督として、すべての主催公演の企画や制作、集客など運営面にも関わる。
「就任にあたり、その責任を強く感じています。ビジョンを持ち、伝統の上にあぐらをかかずチャレンジして、オーケストラをどんどん変化させていきたい。SNSを活用した取り組みにも力を入れ、あらたなファン獲得にもつなげたいと思っています」

 さらに、「最近は指揮者同士でもお互いを高めあうような協力関係ができているように感じる。例えば大阪における4大オケの祭典のような企画が名古屋でもできないかと思っています」と意気込みを語った。

 三井住友海上しらかわホールの閉館に伴い、2024年度シーズンから本拠地を愛知県芸術劇場 コンサートホールに移すことが決まっている。1800席のキャパシティにあわせたオーケストラ編成に拡大するため、現在オーディションを進めているという。

 2024年度の主催公演は定期演奏会(全7公演)、一人のアーティストが協奏曲を2曲披露する「Wコンチェルトシリーズ」(全3公演)、「超!有名曲シリーズ」(全4公演)のほか、「オペラハイライトシリーズ」(全3公演)などを予定。

 角田は定期演奏会に4回登壇。第206回(24.9/28)定期演奏会のメインには「この曲を中心に年間のプログラムを組んだ」という、20世紀に活躍したイギリスの作曲家アーサー・ブリスの「色彩交響曲」を据えた。他にも、シーズン・オープニングの第203回(24.4/27)では愛知県出身のピアニスト務川慧悟をソリストに迎えベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(ピアノ編曲版)などを披露する。
 来季からのあらたな取り組みとして、愛知県にゆかりのある若手作曲家を紹介する。第209回(2025.2/23)では角田が名古屋市立菊里高校の合奏の授業で指導したこともあるという中瀬絢音の委嘱新作を世界初演。

 その他、第205回(24.7/12)ではチェコ出身で名誉音楽監督のレオシュ・スワロフスキーが同年生誕200年を迎えるスメタナの代表作「わが祖国」(全曲)を指揮。第208回(25.1/11)には角田の師でもある広上淳一が、第204回(24.5/31)には大友直人が客演する。

 今年創立40周年を迎えたセントラル愛知交響楽団。角田と歩む新時代に注目したい。

セントラル愛知交響楽団
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