阿吽の呼吸で魅せる精緻なデュオ
姉妹それぞれがソロで活躍するピアニストの児玉麻里と児玉桃。幼い頃から自宅で自然にデュオに親しんできた二人が、連弾と2台ピアノでタッグを組むコンサートを開く。幅広いレパートリーをもつ姉妹だが、長らくパリで学んでおり、フランス音楽にも定評がある。
コンサートはまず、息のあった絶妙な空気感を楽しんでほしいラヴェルの「マ・メール・ロワ」の1台四手連弾から始まる。そしてチャイコフスキーの「くるみ割り人形」(アレンスキー編)抜粋は、子どもも楽しめるバレエ音楽の傑作。姉妹によるディスクもリリース済みで、聴き手をファンタスティックな世界に引き込んでくれることだろう。しめくくりはストラヴィンスキーの「春の祭典」。2台ピアノでセンセーショナルな管弦楽曲を奏でる迫力を体感できる意欲的な選曲。二人のデュオからは「音楽を奏でる喜び」がダイレクトに伝わってくる。姉妹共演ならではの華やかなコンサートが待ち遠しい。
文:伊藤制子
(ぶらあぼ2023年11月号より)
2023.11/3(金・祝)14:00 小金井 宮地楽器ホール
問:小金井 宮地楽器ホール チケットデスク042-380-8099
https://koganei-civic-center.jp
他公演
2023.11/4(土) 神奈川県立音楽堂(神奈川芸術協会045-453-5080)
11/5(日) 岡崎市シビックセンター(0564-72-5111)