軽井沢大賀ホール2023 春の音楽祭

気鋭のアーティストが集う至福の一週間

 ゴールデンウィークの軽井沢に彩りを添える、軽井沢大賀ホールの「春の音楽祭」。今年は「軽井沢町町制施行100周年」の記念年で、音楽祭にもひときわ豪華な出演者が並ぶ。

 4月29日は、セントラル愛知響常任指揮者の角田鋼亮が、東京フィルハーモニー交響楽団とともに、シューマンの交響曲第1番「春」などを聴かせる。若き名チェリスト上野通明の共演によるチャイコフスキー「ロココ変奏曲」、ドヴォルザーク「森の静けさ」も嬉しい。

 4月30日は、来年いっぱいでの引退を発表した井上道義と、桂冠指揮者を務めるオーケストラ・アンサンブル金沢が登場。仲道郁代とのモーツァルトのピアノ協奏曲第20番、キラール「オラヴァ」、ハイドンの交響曲第45番「休暇希望」(「告別」のこと。井上による命名)というユニークな演目は、井上の本領発揮となろう。

 5月3日の「軽井沢チェンバーオーケストラ」は、東京音楽コンクールの覇者や、最先端の現場で活躍する弦楽器奏者10人が集う合奏団。ヴィヴァルディやボッテジーニの協奏曲(2台コントラバス版)などで彼らの名技を楽しみ、スーク「弦楽セレナーデ」で味わい深い旋律に浸る。

 5月4日は、世界的巨匠ピンカス・ズーカーマンが指揮・ヴィオラで登壇。充実の俊英ヴァイオリニスト三浦文彰とのモーツァルト「協奏交響曲」は注目だし、東京フィルを振ってのベートーヴェンの交響曲第7番も興奮の体験になりそう。

 その他、子どもにおすすめの「『音楽の絵本』〜ロマネスク〜」(5/5)、「さだまさし 軽井沢特別公演」(5/6、完売)も。幅広く音楽の喜びを味わう、軽井沢の一週間。
文:林昌英
(ぶらあぼ2023年5月号より)

2023.4/29(土・祝)~5/6(土) 軽井沢大賀ホール
問:軽井沢大賀ホールチケットサービス0267-31-5555  
https://www.ohgahall.or.jp
※各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。