新国立劇場バレエ団『ヴァレンタイン・バレエ』

多彩なバレエのエッセンスを凝縮

『テーマとヴァリエーション』より ©The George Balanchine Trust 撮影:鹿摩隆司
『テーマとヴァリエーション』より ©The George Balanchine Trust 撮影:鹿摩隆司
 来年2月に新国立劇場バレエ団が『ヴァレンタイン・バレエ』を開催し、定番作品から、新たなレパートリーまで、3部構成でさまざまな作品を上演する。
 第1部は、プリンシパル、ソリスト、群舞がチャイコフスキー「管弦楽組曲第3番 ト長調」第4曲を踊る『テーマとヴァリエーション』。舞台に広がり次々と展開していくフォーメーションの妙やダンサーたちの一体感が魅力の作品、オペラ・グラスはしまい、舞台全体を観て欲しい。
 プリンシパル、ソリストの妙技を楽しめるのが第2部、3つのパ・ド・ドゥが上演される。注目は、今回はじめて新国立劇場で披露される『ソワレ・ド・バレエ』、深川秀夫の振付作品だ。グラズノフの「四季」にのせ、繊細でロマンティックな情感を踊る。派手な技巧が飛び出すわけではないが、ダンサーには音楽性、表現力、精緻なテクニックが求められる。17日に踊るのは、この作品を得意とする米沢唯、奥村康祐。洗練されたダンスを見せてくれるだろう。18日は、今シーズン加入し、次々と主要な役にキャストされている池田理沙子と、井澤駿のペア。若い二人はこの作品をどう表現するのだろうか。スピード感たっぷりの『タランテラ』、さらに日替わりで『ドン・キホーテ』、『白鳥の湖』から華やかで極め付きのパ・ド・ドゥも踊られる。
 そして第3部は、男性ダンサーのみの作品『トロイ・ゲーム』。体力の限界に挑みながら、そんな素振りを見せることなく、コミカルなダンスで笑わせる異色作。カーテンコールまでが作品の一部なので、最後までお見逃し無きように!
文:守山実花
(ぶらあぼ 2016年11月号から)

2017.2/17(金)19:00、2/18(土)14:00 新国立劇場オペラパレス
問:新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet