
ティル・フェルナーは、1993年のクララ・ハスキル国際コンクールに優勝し、国際的な注目を集めたオーストリアのピアニスト。以来20年以上にわたり、世界最高峰のオーケストラとの共演や、ヨーロッパ、アメリカ、日本の主要ホールや音楽祭への出演を熱望される演奏家として活躍している。
2019/20年シーズンは、ボストン響、ユタ響、フォートワース響、デュッセルドルフ響などと共演。昨シーズンは、チューリヒ・トーンハレ管、ロンドン響、バイエルン放送響にデビューしたほか、ミネソタ管、モントリオール響にも登場した。また、2019年の第62回ブゾーニ国際ピアノコンクールでは、審査委員長を務めた。
これまでに、クラウディオ・アバド、ウラディーミル・アシュケナージ、ヘルベルト・ブロムシュテット、セミョン・ビシュコフ、クリストフ・フォン・ドホナーニ、クリストフ・エッシェンバッハ、ベルナルト・ハイティンク、ニコラウス・アーノンクール、マンフレッド・ホーネック、サー・チャールズ・マッケラス、サー・ネヴィル・マリナー、クルト・マズア、ケント・ナガノ、ジョナサン・ノット、キリル・ペトレンコ、ハンス・ツェンダーら多くの指揮者と共演。
室内楽ではイギリスのテノール歌手マーク・パドモアやベルチャ弦楽四重奏団と定期的に活動しており、2019年にはチェロのヨハネス・モーザーとのアメリカ・ツアーを成功させた。
フェルナーは、ピアノ作品の中でも特に重要とされるJ.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集」と、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲の演奏に力を注ぎ、2008年から2010年にかけてニューヨーク、ワシントンD.C.、東京、ロンドン、パリ、ウィーンで同ソナタの全曲演奏を行った。また、現代音楽の演奏にも積極的で、キット・アームストロング、ハリソン・バートウィスル、トーマス・ラルヒャー、アレクサンダー・スタンコフスキ、ハンス・ツェンダーの作品を世界初演している。
録音ではECMレーベルの専属アーティストとして、J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集第1巻」「インヴェンションとシンフォニア、フランス組曲第5番」、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番&第5番(共演:ケント・ナガノ指揮モントリオール響)」、バートウィスルの室内楽曲、最近では「Till Fellner in Concert」と題したリストとベートーヴェンのライブ録音をリリースしている。 2016年にはベルチャ弦楽四重奏団との共演によるブラームス「ピアノ五重奏曲」をアルファ・クラシックスからリリースし、同年のディアパゾン・ドールを受賞した。
ウィーン生まれ。ヘレーネ・セド=シュタトラー、アルフレッド・ブレンデル、マイラ・ファルカス、オレグ・マイセンベルク、クラウス=クリスティアン・シュスターに師事。2013年からはチューリヒ芸術大学で後進の指導にもあたっている。
コンサート情報
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