ウィーン生まれ。アルフレッド・ブレンデルやオレグ・マイセンベルクらに師事。1993年のハスキル国際コンクールに優勝して国際的に注目を集め、以来20年以上にわたって世界最高峰のオーケストラや欧米や日本の主要ホール、著名音楽祭などへの出演を熱望される演奏家として活躍している。
アバド、アシュケナージ、ブロムシュテット、ビシュコフ、ドホナーニ、エッシェンバッハ、ハイティンク、アーノンクール、ホーネック、マリナー、マズア、ナガノ、ノット、ペトレンコらの指揮のもと、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ニューヨーク・フィル、ボストン響、シカゴ響、NHK響などと共演。
室内楽では、ヴァイオリンのヴィヴィアン・ハーグナー、テノールのマーク・パドモア、ベルチャ弦楽四重奏団と定期的に活動し、2023年2月にはメゾ・ソプラノのアンナ・ルチア・リヒターと東京でのリサイタルを成功させた。
フェルナーは、ピアノ作品の中でも特に重要なJ.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集」とベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲の演奏に力を入れ、後者は2008~10年にかけてニューヨークや東京、ロンドン、パリ、ウィーンなどで全曲演奏会を行った。また、アームストロング、バートウィスル、ラルヒャー、スタンコフスキ、ツェンダーらの作品を世界初演するなど、現代曲にも積極的である。
録音も数多く、ECMレーベル専属のアーティストとして、J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集第1巻」や「インベンションとシンフォニア/フランス組曲第5番」、K.ナガノ指揮モントリオール交響楽団との共演によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4、5番、バートウィスルの室内楽曲、「Till Fellner in Concert」と題したリストとベートーヴェンのライヴCDなどが発売されている。2016年にベルチャ弦楽四重奏団と共演したブラームスのピアノ五重奏曲は、同年のディアパゾン・ドールを受賞した。
チューリヒ芸術大学とグラーツ国立音楽大学で後進の指導にもあたっており、2019年にはブゾーニ国際コンクールで審査委員長を務めた。
コンサート情報
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