シュテファン・ドールは“ホルンの王”とニューヨーク・クロニクルに評価された。その完璧なテクニック、音程、アーティキュレーションなどにより、ホルン界のリーダー的存在となっている。エッセンとケルンで学び、19歳でフランクフルト・オペラの首席ホルン奏者となり、演奏家として歩みだす。その後、バイロイト祝祭管弦楽団、ニース・フィルハーモニック管弦楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団の首席ホルン奏者を経て、1993年、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席ホルン奏者に就任した。
ソリストとしてのシュテファン・ドールは、多くの著名な指揮者、ダニエル・バレンボイム、ベルナルト・ハイティンク、クリスティアン・ティーレマン、インゴ・メッツマッハー、ダニエル・ハーディング、クラウディオ・アバドなどと共演している。またアバドからはルツェルン祝祭管弦楽団の首席ホルン奏者としても招かれた。モーツァルト、ハイドン、R.シュトラウスといった古典派、ロマン派のソロ・レパートリーに加え、リゲティ、ナッセン、キルシュナーなどの現代音楽にも意欲的に取り組んでおり、2008年にはヘルベルト・ヴィリ、2011年には細川俊夫、2014年にはヴォルフガング・リームが各々彼のために作曲した作品の世界初演を果たした。今後も数々の委嘱作品を演奏する予定になっている。
室内楽奏者としては、ベルリン・フィル団員との数多くのアンサンブルだけでなく、例えばマウリツィオ・ポリーニ、ラルス・フォークト、コリヤ・ブラッハー、イアン・ボストリッジといった著名な演奏家とも共演。彼はまた、木管五重奏の最高峰、アンサンブル・ウィーン=ベルリンのメンバーも務める。
室内楽の音楽祭に定期的に出演するほか、教育者として世界中のマスタークラスを受け持ち、ベルリン・フィル・カラヤン・アカデミーで後進の指導にもあたっている。
コンサート情報
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