Pre-Stage=Prestige

佐渡 裕(指揮)

 2011年3月11日、英国のBBCフィルと日本ツアーを行っていた佐渡裕は横浜で東日本大震災に遭った。 「東北の人々のことを思うと、何も出来ない自分を本当に情けなく思った。食事を届けたり、医者のように人の命を助けたりするわけでもなく、指揮台で棒を持ってオーケストラに『速い』とか『遅い』とか指示を出している指揮者という仕…

アラベラ・美歩・シュタインバッハー(ヴァイオリン)

今度の日本公演で弾くのは、思い入れの強い作品ばかりです  アラベラ・美歩・シュタインバッハーは、現在世界の第一線で活躍中のヴァイオリニストだ。その歩みは、すこぶる順調に思える。 「父はコレペティトゥール、母は歌手でしたので、歌に囲まれて育ちました。ヴァイオリンは3歳から習い始め、少しずつ自然に先へ進んできました。それは…

ハリー・クプファー(演出)

すべての登場人物は旅の途上にあるのです  これまで数々の来日公演で話題を呼んだ巨匠演出家ハリー・クプファーが、満を持して新国立劇場2014/15シーズンの開幕公演を手がける。演目はワーグナー最晩年の楽劇《パルジファル》。クプファーはこれまで、この作曲家の主要作品のすべてを演出、舞台を脱神話化しながら、社会における人間の…

ダニエル・ハーディング(指揮)

新日本フィルとの信頼関係は確実に深まっています  ダニエル・ハーディングは、新日本フィルハーモニー交響楽団のMusic Partner of NJPとして、今秋5シーズン目を迎える。これまでもマーラーをはじめ数々の名演を残してきたが、より関係を深めた今後の共演への期待も大きい。そこでまずは新日本フィルへの思いをきいてみ…

アントニオ・パッパーノ(指揮)

私とオーケストラは“芸術的なDNA”で結ばれています  アントニオ・パッパーノが2005年に音楽監督に就任して以来、世界的に注目度を高めているローマ・サンタ・チェチーリア国立管弦楽団。この秋の来日公演では、R.シュトラウスの《アルプス交響曲》とブラームスの交響曲第2番というドイツ音楽をメインに据える。 「今年はR.シュ…

砂川涼子(ソプラノ)

ミミには儚げな個性よりも心の強さを感じます  創立80周年を記念して、藤原歌劇団がこの秋にプッチーニの名作《ラ・ボエーム》を取り上げる。同団の旗揚げ演目でもあった作品であり、パリ下町の青春群像劇として人気の一作だが、今回は2007年にテレビ放映された評判の舞台が復活。前回に続いてソプラノの砂川涼子がヒロイン役を演じる。…

諏訪内晶子(芸術監督/ヴァイオリン)

 ヴァイオリニストの諏訪内晶子が芸術監督を務めることで話題の『国際音楽祭NIPPON』。リゾート地ではなく、あえて街中で開催することで、クラシック音楽を聴く楽しみを日常生活に加えて欲しいという願いが込められた企画だ。その第3回目が、今年の10〜12月に、名古屋、横浜、郡山の3都市で開催される。演奏家として、教育者として…

ヤクブ・フルシャ(指揮)

信頼厚き都響と導く、チェコ音楽の再発見  2010年から東京都交響楽団の首席客演指揮者を務める俊才フルシャが、この9月、チェコ音楽の深き世界を披露する。6月のスーク・プログラムに続く意欲的な演目は、都響への信頼の証しでもある。 「彼らとは幸せな関係が築けたと思います。同僚や家族、チームの一員になった気がしますし、いつも…

準・メルクル(指揮)

 ホンモノの若さとは何か——それは「型にはまらない心」を指す言葉である。東京二期会がこの9月に上演する《イドメネオ》は、ドラマはギリシャ神話の古風な物語ながら、音楽には青年モーツァルトならではの型破りな個性が溢れる異色のオペラ。日本の我々にも馴染み深いマエストロ、準・メルクルがこの名作の魅力をじっくりと語る。 「178…

山田和樹(指揮)

マーラーにはオーケストラの極限的な取り組みが要求されます  マーラーの交響曲は作品のインパクトが強いだけに、その出会いの印象も強烈なものになる。山田和樹が最初に買ったマーラーのCDは、小澤征爾&ボストン響の「巨人」(『花の章』付き)だった。そして、最初に演奏会で聴いたマーラーはインバル&都響の第9番…