【SACD】チャイコフスキー:弦楽セレナード/チェンバー・ミュージック・プレーヤーズ・オブ・トウキョウ

 大阪フィルのコンサートマスター須山暢大を中心として、国内の楽団やソロで活躍する若手奏者が集まった気鋭のアンサンブル。昨年12月の紀尾井ホール公演は、弦楽合奏曲を中心に、アグレッシブな姿勢と澄んだハーモニーを存分に聴かせた。スタイルは正攻法で、豊かな低弦に乗って各パートが朗々と歌って気持ち良い。特にチャイコフスキーの名作で発揮される熱気とテクニック(ヴィオラのキレ!)はすばらしく、各人のハイスペックぶりも頼もしい。こういった室内オーケストラが、常設の楽団に刺激を与えていってほしい。協奏曲はソリストたちの研ぎ澄まされた表現と温かみが心に残る。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2021年6月号より)

【information】
SACD『チャイコフスキー:弦楽セレナード/チェンバー・ミュージック・プレーヤーズ・オブ・トウキョウ』

チャイコフスキー:弦楽セレナード/メンデルスゾーン:ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲 ニ短調/モーツァルト:ディヴェルティメント K.136

チェンバー・ミュージック・プレーヤーズ・オブ・トウキョウ
【永野光太郎(ピアノ) 須山暢大(ヴァイオリン) 他】

収録:2020年12月、紀尾井ホール(ライブ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00751 ¥3520(税込)