横山幸雄(ピアノ)デビュー30周年
さらに深化を続けるショパンとベートーヴェン

写真提供:ジャパン・アーツ

 1990年にショパン国際ピアノコンクール3位およびソナタ賞を受賞して以来、第一線で活躍を続けるピアニストの横山幸雄。今年リサイタルデビューから30周年を迎える横山が4月23日にオンライン記者会見を開催し、現在の心境や30周年記念公演について語った。

「4月の大阪公演は、一番弾いてきたショパンの30年の集大成となる演奏会だったと思う。福岡では3部構成で、ショパンのほかにも、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、そして自作曲といったバラエティに富んだプログラムを組んでいる」

 記念公演は、4月17日に大阪のザ・シンフォニーホールで行われた「オール・ショパン・プログラム」のコンサートでスタート。今後は、活動の柱として長年演奏を続けてきたショパンとベートーヴェンを中心としたプログラムで、福岡や東京での公演が予定されている。

 5月5日には、2010年にスタートしたショパンのピアノ曲を演奏するシリーズ「入魂のショパン」の第12回目が、東京オペラシティ コンサートホールにて開催される。今回は10代後半から20代までのショパンにフォーカス。11時開演の第1部から20時開演の第6部まであり、2つのピアノ協奏曲(独奏版)を含むショパンの作品の数々を披露。「コンチェルトの2番は、ショパンコンクールでも弾いた曲。シリーズに何度も足を運んでくださる方にも、毎回新たな感動を届けられたら」と意気込む。

 30年間、国内外での演奏活動やCD収録の実績はもちろん、教育活動やレストランのプロデュースなど幅広く活躍してきた横山。昨年はベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会を実施。コロナ禍においても、オンライン・コンサート「横山幸雄マイハートピアノライヴ」をスタートし、定期的に配信するなど、精力的な活動を続けている。未来への展望として「そこに至ってみないと得られないものがある。デビュー50周年を迎える時には、演奏家として一番良い時代であってほしい。過去を振り返ってみると、自分のやりたい音楽について、デビューの時から根底にあるものは変わっていない気もするが、やりたいことがより明確になっている気もするし、より焦点が合っていけばいいなと思う」と語った。

 9月には、ベートーヴェンの最後のソナタ3曲に加えて、シューベルトの最後のソナタ(第21番)やリストの唯一のソナタ(ロ短調)を含む重厚なプログラムの公演が開催される。

 最後に「いろいろな制限がある今の時代、多様性を受け入れながら幸せの輪が広がっていくといいなと考えている。今大変な状況にある方にも何らかのかたちで音楽を届けたい」と語り、5月の演奏会「入魂のショパン」で予定されている「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」の演奏で会見を終えた。

【Information】
横山幸雄 入魂のショパン Vol.12
2021.5/5(水・祝) 東京オペラシティ コンサートホール
第1部 11:00 曲/ピアノ協奏曲第2番・第1番
第2部 13:00 曲/ノクターン第20番 嬰ハ短調 遺作、12のエチュードop.10 他
第3部 15:00 曲/ワルツ第1番 変ホ長調「華麗なる大円舞曲」、スケルツォ第1番 他
第4部 16:30 曲/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、幻想即興曲 他
第5部 18:30 曲/2つのノクターンop.27、24のプレリュードop.28 他
第6部 20:00 曲/即興曲第1番、ソナタ第2番「葬送」 他
*緊急事態宣言の発令に伴い、本公演は延期となりました。
【振替公演】2021.6/20(日)東京オペラシティ コンサートホール

詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
https://www.japanarts.co.jp/concert/p893/

横山幸雄 デビュー30周年記念コンサート
2021.5/9(日)13:00~ 福岡シンフォニーホール
問:エムアンドエム092-751-8257

横山幸雄 デビュー30周年 ピアノ・リサイタル ベートーヴェン・プラス Vol.7
2021.9/23(木・祝)11:00~ 東京オペラシティ コンサートホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p907/