雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第25回
ザ・レヴ・サクソフォン・クヮルテット(サックス四重奏)

お昼の1時間でサクソフォンの豊穣なる音色を堪能!

左より:田中奏一朗、宮越悠貴、都築 惇、上野耕平 (C)Ohsugi

 平日昼間の60分にランチを楽しむノリで本格派の音楽を堪能できる第一生命ホールの人気シリーズ「雄大と行く 昼の音楽さんぽ」に、若き天才・上野耕平が仲間たちと結成した「ザ・レヴ・サクソフォン・クヮルテット」が登場する。当グループは、高校時代から知己のあった4人が、2013年、東京藝術大学での再会を機に結成したサクソフォン四重奏団。「レヴ」の名は、エンジンの回転などを意味する「Rev.」に由来している。これまでに全国各地で様々な活動を展開し、CDも2枚リリース。新曲の委嘱、ピアノや邦楽器等との共演も積極的に行い、同形態のさらなる可能性を追求している。俊英たちの強靭なテクニックや同楽器ならではの繊細な歌心は言わずもがな。彼らの最大の魅力はエネルギッシュで光彩に富んだ音楽にある。また、ソリストとしても活躍するキャラクターの異なる4人が揃った際に生まれる豊潤な色合いも、唯一無二の特長を成している。

 今回のプログラムは、ベーシックなフランセの小四重奏曲から、メンバーの出身地の民謡等が連なる稲森安太己「ふるさと狂詩曲」、刺激的な音が交錯する坂東祐大「Mutations: A.B.C.」という特殊奏法も交えた両オリジナル作品やポピュラー・ソングまで実に多彩。なかでも、初披露となるブラームスの傑作「ハイドンの主題による変奏曲」からどのような響きや新感覚がもたらされるのか、大いに注目される。

 音楽ライター・山野雄大の話で理解を深めた後に、サクソフォン四重奏の活力と多様性を満喫する……かくも胸躍る昼のひとときは滅多にない。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2021年5月号より)

2021.5/14(金)11:15 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 
https://www.triton-arts.net