平尾はるな ピアノコスモス2021 ベーゼンドルファーコンサート

ウィーン古典派やフランス近代の小品を色彩豊かに

 幼少期から安川加壽子に師事し、東京藝術大学附属音楽高等学校、同大学を経てパリ国立高等音楽院で学んだピアニストの平尾はるな。1966年のデビューリサイタル開催後は、幅広く演奏活動を展開。また、作曲家の故・平尾貴四男を父にもつ彼女は、日本のピアノ作品の普及に力を入れ、多数の作品を委嘱。日本の作曲家の魅力を多くの聴衆に伝えてきた。自らの演奏だけでなく、現代音楽のスペシャリストを育成するなど、教育活動にも尽力。スポーツトレーニングの概念を取り入れたまったく新しいピアノ練習法の研究にも取り組んでいる。

 そんな平尾が開催する今回のリサイタルは、ハイドンやモーツァルトといったウィーン古典派の作品に、サティやプーランクなど、軽やかなフランスの小品が並ぶプログラムだ。伝統的なフランスのピアニズムを継承した気品あふれる演奏と、ベーゼンドルファーの深くやわらかい響きのコラボレーションは、聴衆を色彩豊かな音世界へと誘うことだろう。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2021年5月号より)

2021.5/30(日)14:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
https://www.proarte.jp