第31回芥川也寸志サントリー作曲賞 ノミネート作品決定

 第31回(2020年度)芥川也寸志サントリー音楽賞(旧・芥川作曲賞)のノミネート作品3作品が決定した。同賞は、故・芥川也寸志の功績を記念して、サントリー音楽財団(現・公益財団法人 サントリー芸術財団)が日本作曲家協議会の支援を得て1990年に創設。日本の新進作曲家のもっとも清新にして将来性に富む作品を対象に、作曲賞としては国内初のユニークな試みである演奏会形式によって、公開選考を実施している。さらに、受賞作曲家には新しいオーケストラ作品が委嘱され、2年後にその初演を行うという複合的な賞となっている。
 
 また、サントリー芸術財団の母体となる鳥井音楽財団が1969年に設立されてから50年を迎えた2019年より、「芥川也寸志サントリー作曲賞」へ賞名を変更、賞金を150万円に増額。新進日本人作曲家のさらなる飛躍を後押しする。
 
 今回は、3月9日のオンラインによる選考会を経て、20年1月1日より12月31日の間に国内外で初演された日本人作曲家の管弦楽作品を対象に、譜面と初演録音により、選考委員3名(近藤譲、坂田直樹、原田敬子)の合議の末、ノミネート作品3作品を選定した。選考演奏会は8月28日にサントリーホールで行われ、受賞作が決定する。ノミネート作品は以下の通り。

左より:桑原ゆう、杉山洋一、原島拓也

◇桑原ゆう:『タイム・アビス』17人の奏者による2群のアンサンブルのための(2019〜20)
初演=2020年3月1日
アルバート・シュバイツァー・スクール・オッフェンバッハ(オッフェンバッハ・アム・マイン/ドイツ)
cresc…現代音楽ビエンナーレ「クラッシュコース_マシン」

◇杉山洋一:『自画像』オーケストラのための(2020)
初演=2020年8月30日
サントリーホール
サントリーホール サマーフェスティバル 2020
《ザ・プロデューサー・シリーズ 一柳慧がひらく 2020
 東京アヴァンギャルド宣言〜オーケストラスペースXXI-2》

◇原島拓也:『寄せ木ファッション』琵琶とオーケストラのための(2020)
初演=2020年11月19日
NHK放送センター 505スタジオ
第89回日本音楽コンクール作曲部門入賞作品

【Information】
第31回芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会
2021.8/28(土)15:00
サントリーホール

指揮:杉山洋一 
ピアノ:椎野伸一 琵琶:原島拓也
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
公開選考会司会:沼野雄司
選考委員:近藤譲、坂田直樹、原田敬子

曲目
稲森安太己:『ヒュポムネーマタ』ピアノとオーケストラのための(2020〜21)〈世界初演〉
(第29回芥川也寸志サントリー作曲賞受賞記念 サントリー芸術財団委嘱作品)
第31回芥川也寸志サントリー作曲賞候補作品(3作品)

サントリー芸術財団
https://www.suntory.co.jp/sfa/