節目の年に贈る満を持してのプログラム
ピアノの樋口紀美子が、東京デビュー40周年とCD『J.S.バッハ:インヴェンションとシンフォニア』のリリースを記念してリサイタルを開く。2007年に帰国するまで33年間ドイツを本拠に活動した樋口にとって、初のバッハ・アルバムはまさに満を持してのリリースだ。曲目はまず収録曲から「シンフォニア」BWV787-801全曲、叔父である早世の作曲家・乾春男(1929〜49)の作品を挟んでショパン「12のエチュード」op.10全曲という構成。「バッハもショパンも、全曲弾くこと、聴くことで見えてくる世界をお楽しみください。ショパンの作品10は聴いてくださる方々が元気になるような作品。叔父・乾春男の作品は、できるだけ多くの方々に聴いていただきたいと思います」と樋口。公演はストリーミング配信も。コンサート開催に大小の制約を伴う状況が依然として続いている。しかし、「新たな可能性を信じて進んでいきたい」──ピアニストは明日を見据えている。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2021年4月号より)
【配信あり】
2021.4/5(月)19:00 東京文化会館(小)
問:ミリオンコンサート協会03-3501-5638
http://www.millionconcert.co.jp