令和2年度(第71回)芸術選奨受賞者が発表され、音楽部門では地歌箏曲の藤本昭子と都山流尺八の藤原道山が大臣賞を、指揮・鍵盤楽器・作曲の鈴木優人が新人賞をそれぞれ受賞した。また、舞踊部門では、ダンサーの井関佐和子、バレエダンサーの加治屋百合子が大臣賞を受賞した。
芸術選奨は、昭和25年創設。芸術各分野において優れた業績を挙げた者又はその業績によってそれぞれの部門に新生面を開いた者を文化庁が選奨するもので、大臣賞には30万円、新人賞には20万円の賞金が贈られる。
◎大臣賞
藤原道山(都山流尺八演奏家)
授賞対象:「藤原道山20th Anniversaryコンサート」ほかの成果
贈賞理由:
藤原道山氏は、瑞々(みずみず)しい感性と卓越した技術によって、尺八の可能性を追求している。「雙(そう)-SO-」と題し尺八とピアノのデュオに焦点をあてたデビュー20周年コンサートでは、自作および気鋭のアーティストの作品を通して新境地を拓(ひら)き、都山流(とざんりゅう)本曲の演奏とともに観客を魅了した。古典の三曲合奏、KOBUDO‐古武道‐、藤原道山×SINSKE,風雅竹韻(ふうがちくいん)、オーケストラとの協演など、ジャンルの枠を越える多彩な活動のいずれにおいても、氏ならではの表現力があった。存在感と発信力のある充実した活動は称賛に値する。
◎新人賞
鈴木優人(指揮者・鍵盤楽器奏者・作曲家)
授賞対象:「読売日本交響楽団第603回定期演奏会」ほかの成果
贈賞理由:
鈴木優人氏は、令和2年、活動の場を飛躍的に広げ、まさに文部科学大臣新人賞に相応(ふさわ)しい極めて大きな成果をあげた。読売日本交響楽団のクリエイティヴ・パートナーに就任し、いわゆる「自粛期間」明けの演奏会を指揮したほか、シューベルトとベリオ,シャリーノを組み合わせ、あるいはケージとヴィヴァルディを対峙(たいじ)させるコンサートでも、作曲家としてのバックグラウンドを存分に生かし、卓抜のセンスを示した。さらに、ヘンデルのオペラをはじめ、音楽祭のプロデュースなどでもその才能を遺憾なく発揮した。
文化庁 芸術選奨
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/92861001.html