都響も演奏会の有料ライブ配信開始!

初回は「矢部達哉ソロ・コンサートマスター就任30周年」スペシャルで大野和士指揮

 東京都交響楽団(都響)がついに、新型コロナウイルス感染症対策による販売座席数の削減を受け、急速に普及したコンサートのライブ配信(有料)に参入する。初回は9月16日19時、サントリーホールで開催する「都響スペシャル2020(9/16)」。都響ソロ・コンサートマスター、矢部達哉の就任30周年を祝うベートーヴェン ・プログラム。音楽監督の大野和士が指揮する。

左:大野和士 右:矢部達哉

 江藤俊哉門下の矢部は桐朋学園ディプロマコース修了翌年の1990年、22歳の若さで都響ソロ・コンサートマスターに抜擢され、大きな注目を集めた。前任の古澤巌と2年間をともにする一方、ロンドン・フィルなどを歴任して最晩年、コンサートマスターとして都響の発展に大きく尽くしたジェラルド・ジャーヴィスの薫陶を受け、“帝王学”に実践の現場で磨きをかけた。当時の都響音楽監督、若杉弘は矢部を「衆の中でこそ光る存在」と評し、室内楽への適性も見抜いていた。

 1996年にディスク・デビュー、ソニーミュージックではドビュッシー、サラサーテ、クライスラーからモリコーネまで幅広いレパートリーを録音した。1997年にはNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「あぐり」のタイトル曲でソロを担当、サウンドトラック盤も出た。人気が出たところでソリスト転身、というのは良くある話だが、矢部の関心は「都響を理想のオーケストラにする」ことに集中、歴代シェフに仕えてきた。

 大野との出会いも同じく、1990年にさかのぼる。最初は同年7月18日、フィンランドで開催される音楽祭「サヴォリンナ・オペラ・フェスティバル」(湖上の古い城砦で上演する)で、メインの曲目はベートーヴェンの「交響曲第3番『英雄』」だった。2ヵ月後の9月8日、矢部は「大野和士都響指揮者就任披露演奏会」と銘打たれた東京文化会館大ホールの都響第314回定期演奏会Aシリーズでコンサートマスターとしてデビュー。池辺晋一郎の都響委嘱新作世界初演、バルトーク「管弦楽のための協奏曲」と、いきなり難易度の高い作品に挑んで気を吐いた。

左:小山実稚恵 右:宮田 大

 そろって都響で最初のポストを獲得してから30周年の祝宴は、ベートーヴェンの生誕250年と重なった。前半に「ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲」。後半は出会いの思い出の曲、「英雄」を配した。矢部は前半でソロ、後半でコンサートマスターとフル回転。ピアノには大野と東京藝大で同学年だった小山実稚恵、チェロには矢部の桐朋の後輩で、サイトウ・キネン・オーケストラや水戸室内管弦楽団での同僚の宮田大と、お祝いにふさわしい華やかな顔ぶれだ。
文:池田卓夫


【Information】
 *視聴チケット 絶賛発売中
矢部達哉・都響コンサートマスター30周年記念
都響スペシャル2020

9/16(水)19:00
サントリーホールより

視聴チケット:2,000円
購入:https://tiget.net/events/103225

販売期間:9/9(水)〜9/16(水)21:30(終演まで)
アーカイブ配信:9/30(水)18:00〜10/11(日)23:59

※生配信終了後、視聴チケット購入者はアーカイブ配信をご覧いただけます。アーカイブ配信は期間内であれば何度でもお楽しみいただけます。