アフタヌーン・コンサート・シリーズ 2020-2021前期 Vol.4 はばたけ! ヤング・アーティスト 驚異の16才! “今”を聴く!

音楽をする喜びをともに感じるステージ

 若き才能に触れるのは心が高揚し、生きる力が湧き、音楽を聴く真の喜びが味わえる。今年16歳を迎えるチェロの北村陽とピアノの奥井紫麻は、まさに若芽がぐんぐん空に向かって伸びていくような勢いに満ちた演奏をする逸材。北村は幼いころからオーケストラと共演し、J.S.バッハの無伴奏作品にも積極的に取り組み、チェロと一体となった演奏を披露してきた。奥井も幼少期よりロシアで学び、国際コンクールの最年少優勝・入賞に輝いている。彼女の演奏は類まれなる集中力に支配された、緊迫感と情熱が宿るピアニズム。ロシアの大地を思わせるスケールの大きさと深々とした抒情が特徴。その演奏に触れると、「未来の大器」という思いを強くする。

 2人の演奏の前には、金子三勇士が絶妙のトークと名曲でワクワクするようなコンサートへと導く。彼のピアノもまた、聴き手の心にしっとりと響いてくる情感あふれる調べ。3人の奏でる音の世界で心が浮遊するようだ。
文:伊熊よし子
(ぶらあぼ2020年6月号より)

*本公演は中止となりました(6/17主催者発表)。詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

2020.7/27(月)13:30 東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 
https://www.japanarts.co.jp