邦楽器初登場! 和洋の出会いが生み出す新世界
心身共にリラックスしながら音楽を、というコンセプトで好評のHakuju Hall「リクライニング・コンサート」で邦楽器の演奏が聴けるのは、かなり珍しいだろう(どうやら初めてのことらしい)。しかし登場するのが洋楽、つまりクラシック〜現代の音楽を演奏することで楽器の可能性を広げている本條秀慈郎であるなら、納得する音楽ファンもいるはずだ。
聴き手が三味線という伝統楽器の音に反応し、西洋楽器とは異なる音の面白さや新しい志向に関心を寄せれば、きっと「発見」の多いコンサートになることだろう。さらには撥弦楽器である三味線ならではの音色、歌い回し、独特の間などが気持ちのよい音の空間を創造し、近未来的なホールの雰囲気と相まって不思議な時間を提供してくれることも、 「リクライニング・コンサート」だからこその醍醐味だといえる。
坂本龍一、藤倉大、挾間美帆、高橋悠治など、作品が演奏される作曲家のラインナップを見ただけでも、1時間という中に凝縮されたコンサートが、三味線という楽器にとって、本條秀慈郎にとって、さらには聴き手にとって深く刻まれるものとなることは容易に想像できるだろう。それがどういった音、音楽であるにせよ、未知の体験が約束されるワンダーランドとしての 「リクライニング・コンサート」であることは間違いなく、聴き手は本條秀慈郎という音楽家の存在を強烈に意識することになるはずだ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2020年5月号より)
*新型コロナウィルス感染症の感染拡大を考慮し、本公演は中止となりました。(5/8主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
2020.6/12(金)15:00 19:30 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
https://www.hakujuhall.jp