3人のソリストが競演する刺激的なステージで新年を祝う
トッパンホールのニューイヤーコンサートは、毎回クラシック通を唸らせる凝ったプログラムで知られるが、今回はトッパンホール チェンバー・オーケストラ(在京オケの主要メンバーなどで構成)によるヴィヴァルディ「四季」など、華やかな協奏曲が並ぶ。しかし、めったに聴けないヨハン・ゴットリープ・グラウンのヴァイオリン協奏曲イ長調がある点は、やはり一味違う。選曲はソリストのドイツ・カンマーフィルのコンサートマスター、ダニエル・ゼペックの希望によるもの。ゼペックに言わせると「グラウンはヴィヴァルディのようで、もっと“いっちゃってる”」とのこと。この曲の録音もあるゼペックの切れ味鋭いヴァイオリンが楽しみだ。
ドイツを代表するチェリストで、シュターツカペレ・ドレスデンの首席としても活躍したペーター・ブルンズは、ハイドンのチェロ協奏曲第1番を弾く。2018年に共演したトッパンホール チェンバー・オーケストラから大好評で、今回の再演が決まった。
ヴィヴァルディ「四季」のソロを務めるのは、山根一仁。10年、中学3年生で第79回日本音楽コンクール第1位、岩谷賞など5つの副賞も受賞。いまや日本の若手ヴァイオリニストを代表する一人となった。ゼペック率いるトッパンホール チェンバー・オーケストラにはブルンズも加わる。山根、ゼペック、ブルンズの間にどのような化学反応が生まれるのだろう。スリリングな「四季」になることは間違いない。このコンサートは聴き逃せない。
文:長谷川京介
(ぶらあぼ2020年1月号より)
2020.1/8(水)19:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
http://www.toppanhall.com