髙木凜々子(ヴァイオリン)& 實川 風(ピアノ)

若きソリストたちの爽快な音楽性が迸る


 ヴァイオリンの髙木凜々子とピアノの實川風。11月、江戸川区総合文化センターの「フレッシュ名曲コンサート」に出演する。協奏曲の夕べだ。東京藝大を卒業したばかりの新星で、昨年の東京音楽コンクール第2位の髙木がブルッフを、2015年のロン=ティボー=クレスパン国際コンクール第3位(1位なし)の實川がチャイコフスキーを弾く。

 ブルッフはヴァイオリニストなら避けて通れない定番。
髙木「子どもの頃から、技術を磨くために弾くことが多い曲なのですが、大人になってあらためて作品と向き合ってみると、シンプルながらも音楽的に豊かなので、そこを大事に演奏できたらなと思っています」

 対するチャイコフスキーも説明不要の不滅の名作だ。
實川「なんと言ってもゴージャスな序奏やオーケストラと対決するようなパワフルなパッセージが有名ですが、派手さだけではないチャイコフスキーの内気な表情や優しさが随所に滲み出ているので、そういう細やかな感情表現も大切にしたいです」

 ちなみに互いの曲について。
髙木「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を今月(9月30日・大友直人指揮東京交響楽団)弾くんです! ピアノ協奏曲についてはそれほど詳しくないのですが、オーケストラとの一体感や対話というのはヴァイオリン協奏曲とも共通していると思います」
實川「ブルッフという作曲家はピアニストにはなかなか縁がないのですが、この協奏曲は昔から明快なかっこいい曲だと思っていました」
髙木「かっこいいです!(メロディを歌う)」
實川「ヴァイオリンの指遣いがわからないので、技術的に小学生が弾けるというのがまったく信じられません。理解できません(笑)」

 オーケストラは水戸博之指揮の東京フィルハーモニー交響楽団。
實川「以前、ラフマノニフのパガニーニ狂詩曲を共演したことがありますが、情熱とカリスマ性のある、お人柄も素敵な指揮者です」

 コンサートは学生券が1,000円と格安。子どもたちに憧れのソリストに会いに来てほしいという願いが込められている。二人の子ども時代のアイドルは?
髙木「私は男性的な太い音に憧れていたので、ロシアのヴァイオリニストのダヴィッド・オイストラフとレオニード・コーガンが好きでした」
實川「チャイコフスキーは、物心ついてからはリヒテルやギレリスの演奏に憧れていました」

 二人とも、「どれだけ心に残るかが課題」(髙木)、「ハートが動く演奏を」(實川)と意気込みは同じ。フレッシュな二人の協奏曲を心に刻もう。
取材・文:宮本 明
(ぶらあぼ2019年11月号より)

フレッシュ名曲コンサート 協奏曲 × コンチェルト
〜水戸博之 & 東京フィルハーモニー交響楽団〜
2019.11/30(土)16:00 江戸川区総合文化センター
問:江戸川区総合文化センター03-3652-1106 
https://edogawa-bunkacenter.jp/

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