ダニエル・ハリトーノフ ピアノ・リサイタル2019「月光と革命」

“天才少年”から本格派ピアニストへとグレードアップ

 2015年、弱冠16歳にしてチャイコフスキー国際コンクールで第3位入賞を果たし、鮮烈な音色で世界中の聴衆を魅了しているロシアの俊英ピアニスト、ダニエル・ハリトーノフ。かつしかシンフォニーヒルズでのリサイタルで、ベートーヴェンとショパンの珠玉の名曲を紡ぎ上げる。

 1998年、サハリン生まれ。7歳にしてモスクワ・フィルと共演し、モスクワ音楽院で研鑽を積み、2013年3月にはカーネギーホールで本格デビュー。リサイタル活動の一方、ワレリー・ゲルギエフ率いるマリインスキー歌劇場管弦楽団をはじめ、国内外の第一線オーケストラと共演を重ねている。

 今回は、まず、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの中で、特に人気の高い第14番「月光」と、若き楽聖が師ハイドンへ献呈した初期の佳品・第3番を披露。そして、「革命」「別れの曲」なども含まれ、“名曲の宝石箱”を思わせるショパンの「12の練習曲」(作品10)全曲に、「スケルツォ第3番」を添えて。“天才少年”から本格ヴィルトゥオーゾへの成長を、ぜひ確かめたい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年11月号より)

2019.11/30(土)13:00 かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール
問:かつしかシンフォニーヒルズ03-5670-2233
https://www.k-mil.gr.jp/