城への招待 〜吉田 誠、川久保賜紀、福間洸太朗 Special Guest 鈴木紗理奈〜

音楽と物語の相乗効果が引き出す未知の快楽


 国内外でソロ、室内楽と幅広く活躍する新時代のクラリネット奏者、吉田誠がHakuju Hallのために意欲的な公演をプロデュースする。ヴァイオリンの川久保賜紀、ピアノの福間洸太朗という強力な共演者を得て、実に興味深いプログラムが組まれた。

 クラリネット、ヴァイオリン、ピアノというトリオで、なにを演奏するか。柱となるのはプーランクの「城への招待」だ。この作品はフランスの劇作家ジャン・アヌイの戯曲のために書かれた劇付随音楽。ミニチュア的な小曲の連続からなり、プーランクらしい軽快で洒脱な味わいがある。音楽だけでも楽しめるが、今回は新井鷗子の書き下ろし脚本を、女優・タレントの鈴木紗理奈が一人語りで朗読するのが大きな特徴。城で舞踏会を開く上流階級のマダム、対照的な性格を持つ双子の甥、甥の億万長者の婚約者、舞踏会に招かれた貧しいオペラ座のバレエ・ダンサーを軸に物語が進む。音楽と物語の相乗効果による味わい深いステージが実現しそうだ。

 さらに、ストラヴィンスキーの組曲「兵士の物語」(三重奏版)、アイヴズの「ヴァイオリン、クラリネットとピアノのためのラルゴ」、バルトークの「コントラスツ」といったトリオも演奏される。クラリネット、ヴァイオリン、ピアノという組合せで切り取った20世紀前半の音楽シーンとでもいうべきか。名手ぞろいだけにエキサイティングな公演になることはまちがいない。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2019年10月号より)

2019.10/22(火・祝)17:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 
https://www.hakujuhall.jp/

他公演
2019.10/17(木)三井住友海上しらかわホール(東海テレビ放送052-954-1107)