【CD】邦人作曲家・打楽器アンサンブル作品集/上野信一&フォニックス・レフレクション

 トゥールーズ・キャピトル管の首席奏者等を歴任後、マルチな打楽器奏者として活躍する上野信一と、彼が1988年に結成した打楽器グループによる新録音。ちなみに本作に参加した13人(フリー)のうち10人を国立音大の出身者が占めている。収録されているのは、邦人作曲家が2006〜18年に書いた5〜8人のアンサンブル作品で、全曲が世界初録音となる。演奏は鮮烈。冒頭の湯浅譲二作品の清新な音の綾がいきなり耳を奪い、その後も各人が個性を発揮したエネルギッシュなサウンドが続く。刺激的な音響体験を得られる上に、オーディオ的にも妙味十分だ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2019年10月号より)

【information】
CD『邦人作曲家・打楽器アンサンブル作品集/上野信一&フォニックス・レフレクション』

湯浅譲二:プロジェクション・トランスソニック
安良岡章夫:10スティックス
松平頼暁:トライクロイズム
岸野末利加:Sange/散華―平義久師へ捧ぐ追悼曲―
福士則夫:青海波

上野信一(指揮/パーカッション)
フォニックス・レフレクション【悪原至 伊藤すみれ 鐘ヶ江肇 亀尾洸一 木次谷紀子 佐藤直斗 高口かれん 戸口あおい 富田真以子 新野将之 新田初実 曲淵俊介 峯崎圭輔(以上パーカッション)】

コジマ録音
ALCD-7240 ¥2800+税