第484回 日経ミューズサロン ラルフ・ゴトーニ スペシャル・ピアノ・トリオ

フィンランドと日本の名手が醸し出す三重奏の極致

左より:ラルフ・ゴトーニ、マーク・ゴトーニ、水谷川優子 ©sakiko nomura
 
 フィンランドを代表するピアノの名手であり、世界の一流オーケストラのシェフとしても高く評価されるラルフ・ゴトーニ。そんな彼が、並々ならぬ思いを込めて結成した“究極のピアノ三重奏団”が日本へ初上陸し、室内楽の真髄というべき、名演を紡ぎ出す。
 彼がメンバーに選んだのは、チューリヒ室内管などのコンサートマスターを歴任、ベルリン芸大教授を務め、昨年にはオーパス・クラシック賞の初の受賞者となるなど、気鋭のヴァイオリニストとして活躍する息子のマーク・ゴトーニ。そして、名指揮者・近衞秀麿を祖父に持ち、国際的に活躍するチェリストの水谷川優子だ。
 彼らは結成から15年以上をかけ、欧州から中東そしてアジアなど世界中を巡っており、ミューズサロンのステージは日本とフィンランドの外交樹立100周年を彩るものともなる。愛称のついたベートーヴェンのピアノ三重奏曲の傑作、第4番「街の歌」と第5番「幽霊」に、20世紀の室内楽史に大きな足跡を残す、沈痛な雰囲気に満ちたショスタコーヴィチの同第2番を挟み込む。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年4月号より)

2019.5/7(火)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
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