【CD】フランク&ヴィエルヌ ヴァイオリン・ソナタ集/イブラギモヴァ&ティベルギアン

全編期待を裏切らぬ出来栄え。フランクは特に第1楽章が秀逸で、ゆったりと間を取ったティベルギアンの幻惑的な前奏に続き、イブラギモヴァが放つ香気漂う音色が素晴らしい。この楽章全体でデュナーミクをかなり抑え気味にしているが、終始ノーブルな表情を纏ったその演奏はあらゆる同曲の演奏中でも最高位に置かれるべきもの。本CDでもう1つの柱となるのがフランクの影響をも感じさせるヴィエルヌのソナタだが、こちらは逆に劇的で非常にスケールが大きい。これら大曲2曲を挟んで最初と最後に置かれたイザイとブーランジェは、サロン風の甘さとそれだけでない深みもある佳品。選曲も良い1枚。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2019年4月号より)

【Information】
CD『フランク&ヴィエルヌ ヴァイオリン・ソナタ集/イブラギモヴァ&ティベルギアン』

イザイ:悲歌的な詩/フランク:ヴァイオリン・ソナタ/ヴィエルヌ:同/ブーランジェ:ヴァイオリンとピアノのための夜想曲

アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)
セドリック・ティベルギアン(ピアノ)

Hyperion/東京エムプラス
PCDA68204 ¥2857+税

  • La Valseの最新記事もチェック

    • パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)ロング・インタビュー Part2
      on 2019/12/06 at 01:43

      interview & text :小室敬幸 photos:野口 博 NHK交響楽団首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィに話をうかがうロング・インタビュー。後半戦はN響とのレコーディングや、2020年2〜3月に控えたヨーロッパツアーについて、じっくりと語っていただく。 ── パーヴォさんの指揮するN響のCDのなかで、バルトークにとりわけ強い感銘を受けました。これまでに発売されたもののなかでは唯一、完全にロ [&#8230 […]