【CD】マリンバのための協奏曲集/布谷史人

 世界的に活躍するマリンバ奏者布谷史人の新アルバムは、テイストの異なる3曲を収録。ヴィヴァルディの協奏曲はリコーダーのための可愛らしい曲だが、玉を転がすようなコロコロとしたマリンバの音色に移すという発想がうまくはまった一例。セジョルネの協奏曲は中低音域の深い音色が、弦のラテン風の情熱や哀愁に厚みを加える。布谷のために書かれた信長貴富「混線するドルフィン・ソナー」では、爽やかな作曲センスが25分間にわたり冴える。群れを成し、波を切って泳いでいくイルカの群れがありありと浮かんできた。ソリストと積極的に対話する管弦楽も、ディスクを一層価値あるものにしている。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2019年4月号より)

【Information】
CD『マリンバのための協奏曲集/布谷史人』

ヴィヴァルディ:協奏曲RV443/セジョルネ:マリンバと弦楽のための協奏曲(2015年版)/信長貴富:マリンバ協奏曲「混線するドルフィン・ソナー」

布谷史人(マリンバ)
ヨハネス・シュレーフリ(指揮)
ベンヤミン・ヌス(ピアノ)
マンハイム・クアプファルツ選帝侯室内管弦楽団

OEHMS/ナクソス・ジャパン
OC1891 輸入盤/¥オープン