アジア オーケストラ ウィーク 2018

今年は、フィリピンと中国のオーケストラ、日本からは群響が参加


 恒例のアジア オーケストラ ウィークが今年も開催される。2002年に始まったアジア オーケストラ ウィークでは、アジア太平洋地域の各国から有力オーケストラを招き、この地域の音楽文化の多様さを伝えてきた。17回目を迎える今回は、フィリピン・フィルハーモニック管弦楽団と杭州フィルハーモニック管弦楽団の両楽団が招かれる。またホスト・オーケストラとして群馬交響楽団が参加する。
 フィリピン・フィルは1973年に国立フィリピン文化センターの付属オーケストラとして創設された楽団。79年に当時のファーストレディであるイメルダ・マルコスの主導により再編され、トップレベルの楽団を目指そうというビジョンが掲げられた。2001年には欧州ツアーも実現している。今回はアジア オーケストラ ウィーク第1回での初来日以来、16年ぶりの来日。2016年より音楽監督を務める福村芳一のもと、ロドリーゴのアランフェス協奏曲(ギター独奏は荘村清志)、ロッシーニの歌劇《セミラーミデ》序曲、ファリャのバレエ音楽「三角帽子」を演奏する。
 中国の杭州フィルは09年創設の新しいオーケストラだが、すでにフェドセーエフ、パーヴォ・ヤルヴィ、メータなど世界的マエストロとの共演も多い、勢いのある楽団である。16年のG20サミットで演奏を披露した他、今年は欧州ツアーも行っている。指揮は創設以来の音楽監督であるヤン・ヤン(楊洋)。06年にディミトリ・ミトロプーロス国際指揮者コンクールで優勝を果たし、現在は中央歌劇院音楽監督も兼任する気鋭だ。プログラムはワーグナーの歌劇《リエンチ》序曲、ツォ・チーピンのヴァイオリン協奏曲第1番、マーラーの交響曲第5番。「お国もの」のツォ・チーピン作品でヴァイオリン独奏を務めるニン・フェンは、多数の国際コンクール受賞歴を誇り、ロサンゼルス・フィルやフランクフルト放送響といった著名オーケストラと共演を重ねる実力者である。メイン・プログラムに置かれたマーラーでは、オーケストラの実力がいかんなく発揮されるに違いない。
 群馬交響楽団の指揮は音楽監督の大友直人。曲はモーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」、チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」、シベリウスの交響曲第2番。6年にわたって務めた大友音楽監督のラストシーズンに華を添える。
 なお、群響とフィリピン・フィルは2011年以来の被災地公演の一環として、岩手県の久慈市で、ソリストに五嶋龍(ヴァイオリン)を迎えた合同演奏会を行う。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2018年9月号より)

東京公演
2018.10/5(金)19:00 群馬交響楽団
10/6(土)14:00 フィリピン・フィルハーモニック管弦楽団
10/7(日)14:00 杭州フィルハーモニック管弦楽団
東京オペラシティ コンサートホール
問:日本オーケストラ連盟03-5610-7275
久慈公演
2018.10/4(金)18:30 久慈市文化会館(アンバーホール)
問:久慈市文化会館0194-52-2700 
http://www.orchestra.or.jp/

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