ミラノやヴェローナで研鑽を積み、在学中に数々のコンクールにて入賞。欧州オペラ・デビューの際には、存在感ある演技力に加えてテクニックと美声を絶賛されたソプラノのデビュー盤。高音に秀で「イタリアの色」とも云うべき爽やかさに溢れる声質を強みに、ベッリーニ《夢遊病の女》の華々しいカヴァレッタやヴェルディ《椿姫》〈花から花へ〉の難しい締めにも果敢に挑む姿勢が見事だ。情熱的なプッチーニやマスカーニ〈アヴェ・マリア〉の熱唱も素敵だが、やはり《リゴレット》〈慕わしい人の名は〉のラストで可憐な歌声がゆっくりと飛翔してゆくさまが圧巻!
文:東端哲也
(ぶらあぼ2018年9月号より)
【information】
SACD『ディヴィーナ/藤田美奈子』
ベッリーニ:おお、私がただ一度でも…/ヘンデル:懐かしい木陰よ、涙の流れるままに/プッチーニ:私が街を歩くと、私の愛しいお父さん/ヴェルディ:慕わしい人の名は、不思議だわ…ああ そは彼の人か…花から花へ/マスカーニ:アヴェ・マリア 他
藤田美奈子(ソプラノ)
瀧田亮子(ピアノ)
アールアンフィニ(ソニー・ミュージックダイレクト/
ミューズエンターテインメント)
MECO-1048 ¥3000+税