外山啓介 ●ピアノ

念願だったショパンのソナタ第2番を弾きます!

「この楽章のように、ある意味で地味な音楽は好きですね。僕の生活は、実はすごく地味ですから(笑)。普段は家から半径200メートルくらいしか出ないですし、気分転換は家の掃除と洗濯。青山の美容室に行くのだって緊張するタイプです。自分の思うことを人に主張するのも好きじゃないですし。でもピアノを弾くときだけ、自分のすべてを出せる気がします。ピアノによって悩むこともありますが、その悩みもピアノによって救われる。ピアノを弾くことは、僕にとっては水を飲むのと同じくらい自然なことなのかもしれません」
7月31日には、昨年のリサイタル・シリーズで熱演を繰り広げた『展覧会の絵』を収めたアルバムがリリースされた。
「ムソルグスキー自身のピアノ版が、僕はやっぱり好きですね。ツアーで何度も演奏し、研究し、考え抜いた末の録音なので、僕にとって宝物のようなアルバムです。ライヴのように曲の大きな流れ・うねりを大事に演奏し、ほとんど編集は入っていません。ブラームスの後期作品op.117、op.118と合わせ、楽しんでいただきたいです」
リサイタルも録音も、「一つひとつの仕事に全力投球で臨むこと、それが一生の目標」と静かに熱く語る外山。今後も目が離せない。
取材・文:飯田有抄 写真:武藤 章
(ぶらあぼ2013年9月号掲載)
 

外山啓介ピアノ・リサイタル 2013
曲: バッハ=ブゾーニ編:シャコンヌ
シューマン=リスト編:献呈
シューベルト=リスト編:アヴェ・マリア
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ショパン:3つのワルツop.64,英雄ポロネーズ,ソナタ第2番「葬送」
★9月6日(金)14:30・東京/秋川キララホール、29日(日)14:00・東京/サントリーホール、10月5日(土)14:00・大阪/ザ・シンフォニーホール、11日(金)18:30・広島市東区民文化センター、13日(日)14:00・愛知/音楽サロンA・PIACERE in 豊田、18日(金)19:00・福岡/北九州市立響ホール、11月3日(日)15:00・静岡/沼津市民文化センター(小)、12月8日(日)15:00・埼玉/越谷市中央市民会館
●発売中
総合問合:チケットスペース03-3234-9999

チケット:ローチケ

191CD
『展覧会の絵』
エイベックス・クラシックス
AVCL-25792 ¥3150