新シーズンの幕開けはドヴォルザーク傑作選!
東京シティ・フィルは、高関健が常任指揮者に就任してからの3シーズンで機能性と表現力に著しく磨きをかけ、聴衆の胸に迫る演奏を積み重ねてきた。高関とシティ・フィルは2021年3月まで契約を延長し、さらなる飛躍と新機軸を見せていくことになるが、2018/19シーズンのラインナップにも早速そのカラーが反映されている。「ティアラこうとうと東京オペラシティの定期演奏会、全13公演でひとつのシリーズと考えている」として、両会場の定期を今まで以上に有機的に関連させていくという。
その新シーズン13公演の幕開けとなるのが、「ドヴォルザーク珠玉の名曲たち」と銘打った4月7日のティアラこうとう定期演奏会。「謝肉祭」序曲で華々しく開幕を告げ、チェロ協奏曲と交響曲第9番「新世界より」が続くという、堂々たるドヴォルザーク傑作プロだが、シティ・フィルにとっても新しい1年を占う公演となるわけで、その熱気はいや増すことだろう。
開幕を託された指揮者は渡邊一正。オーケストラの特長を引き出すことに長け、東京フィルのレジデント・コンダクターを務めるほか、国内の各団体に客演を重ねて信頼も厚い渡邊。本公演でもシティ・フィルを力強く率い、スケールの大きなドヴォルザークを聴かせてくれるはず。チェロ協奏曲にカメラータ・チューリッヒのソロ首席チェリストを務める新倉瞳が登場するのも要注目。スイスの名門団体で重責を担う彼女の名技を、屈指の名作で体験できるのはうれしい機会であり、清新な名演を堪能したい。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2018年4月号より)
第53回 ティアラこうとう定期演奏会
2018.4/7(土)14:00 ティアラこうとう(江東公会堂)
問:東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002
http://www.cityphil.jp/